予算管理システムとは、これまで手入力で行っていた予算管理業務の効率化が図れるシステムです。
データの統計や共有が自動的に行えるため、人的コストが下げられるだけでなく情報の精度も上がります。
そのため、今の予算管理方法に納得していない方やデータ入力などにかかる時間的コストを省いて、分析に回したい方などには最適なシステムです。
この記事では、「予算管理システムの基本機能から導入事例」まで詳しく解説していきます。
- 予算計画や編成業務の効率化が図れる
- データ管理の精度が上がり分析がより的確に行える
- 社員へのデータ共有が簡単に行える
目次
予算管理システムとは・導入の目的
予算管理システムを導入する場合、解決したい問題や課題があるものですが、主な導入目的には以下のようなものがあります。
この項目では、上記の導入目的を導入メリットを交えながらご紹介します。
予算計画・編成業務の効率化
予算管理システムを導入すれば、予算計画や編成にかかる時間的コストを大幅に下げることができます。
従来のExcelで管理する方法では、データ入力や集計を1つ1つ手入力で行う必要があり、工程が多いことによって、人的ミスの恐れもあります。
しかし、予算管理システムを導入すれば大部分を自動化でき、会計ソフトや原価管理システムと連携することで、情報を簡単に統一できます。
データ運用や分析の効率が格段に上がりますので、予算管理業務の効率化を図りたい場合は導入を検討すると良いでしょう。
社員のモチベーションアップ
予算管理システムを導入することで、社員モチベーションのアップにも繋がります。
というのも、予算管理の流れや過去データなどが明確に可視化され、何か仕事上で問題が起きたときでも原因を浮き彫りに出来ます。
例えば、原因が計画した戦略にあるにも関わらず社員の評価が悪くなったり、、社員のミスが原因なのに経営側の評価が下がるなどのトラブルが防げます。
社員に対して正当な評価をすることができるので、社内全体のモチベーションアップに繋がるでしょう。
予算編成の精度向上
予算管理システムを導入することで、予算編成の精度向上が期待できます。
システムを活用することで毎日気軽に予算に対する進捗を確認でき、すぐに改善と実践を繰り返すことができます。
売り上げを向上させるために必要な業務を、1日単位で分析しながら行えるため、迅速な対応ができます。
また、手入力から自動入力に切り替わることで、データ自体の正確性も上がります。
そのため、システムを導入することでより正確な予算編成を作成できるでしょう。
予算管理システムの導入メリット・おすすめする理由
予算管理システムを導入することで、主に以下のようなメリットがあります。
この項目では、上記のメリットについてそ詳しく解説していきます。
データ集計や分析の負担軽減
予算管理をExcelで管理している場合、各部署ごとのデータ集計や未提出者への催促など、様々な業務コストがあります。
ですが、システムを導入すればグループや部署ごとの予算を簡単に一元管理でき、データの共有や修正なども手間がかかりません。
どの部署が提出していないかをステータス機能で一発で把握できますし、レポート機能を活用すれば分析も簡単です。
予算編成に注力している場合は、Excel管理ではなくシステムを導入すると業務の効率化が図れるでしょう。
管理精度の向上
Excelやスプレットシートを使って部署ごとに予算管理を行っている場合、多くの手入力が介在するため、どうしても入力ミスなどが起きてしまいます。
数字の信用性が減ると、正確な予算編成が作れないため効果的な経営方針も見出せません。
予算管理システムを導入すれば、データ集計や共有などを自動化でき、できるだけ手入力作業を減らすことで入力ミスも少なくできます。
また、システム上に都度データを入力することでり合うタイムで進捗を確認できます。
その情報を元に最短で業務改善が行えるため、システムを導入することで売り上げアップにも繋がるでしょう。
属人化の防止
Excelでは複雑な関数やノウハウを駆使して利用するため、特定の人しか運用やメンテナンスができないという問題が良く起きます。
特定の人だけが運用できるExcelでは、効率的な運用ができません。
一方、予算管理システムは難しい知識を知らなくても誰でも簡単に利用できるため、そういった心配は必要ありません。
誰でも活用できるからこそ、組織で運用できる予算編成が作成できるようになるでしょう。
セキュリティ対策
Excelで作成した予算を社内で共有する際、メールで送信することが多いです。
しかし、メールでは間違った宛先に送信してしまうリスクや、ウィルスに感染してしまう可能性もあります。
また、Web上でデータ共有している場合でも閲覧権限の設定ミスにより、情報漏えいに繋がる可能性があります。
一方で、予算管理システムでは高度なセキュリティ対策がされているため、あらゆる不正を未然に防ぐことができます。
重要な予算データを運用する上でレベルの高いセキュリティがあるというのは、精神的な負担も減ります。
安心して予算運用を行いたい方は、システムの導入を検討すると良いでしょう。
予算管理システムの機能一覧
予算管理システムは様々な会社が提供しており、それぞれ搭載している機能は違います。
この項目では、多くのシステムで利用できる以下の基本的な機能をご紹介します。
予算計画機能
予算管理システムでは部署ごとのデータ収集、予算目標の作成と共有が行え、予算計画をサポートしてくれます。
また、入力データのカテゴリも利益や原価、投資などと細かく自由に設定できます。
自社に最適な実効性のある予算計画が作成できるため、各担当者と連携しながら迅速に業務改善が行えるでしょう。
データ集約や予算編成機能
予算管理システムでは、資金予算や収益予算の編成が簡単に行えます。
作成した入力フォーマットを各担当者に共有し、担当者はフォーマットに従って入力するだけなので、予算編成にかかる時間が大幅に削減されます。
各担当者がフォーマットのコピーやカスタマイズを行う必要がないため、スムーズなデータ収集が可能です。
また、予算編成では売り上げの流れなどの変数を入力してシミュレーションすることもできるため、経営や業務方針の決定にも役立つでしょう。
モニタリングと予実管理・再編成機能
予算管理システムを日常的に活用してデータを集めることで、各現場のリアルタイムな目標達成率や進捗が確認できます。
予算に対してあまり良い結果が出ていない場合でも、最新の情報が手軽に確認できれば分析も容易になり、迅速に対策が立てられます。
また、当初の予定とは違う動きがあった場合でも、再編成機能を活用すれば的確な新しい予算を作成できます。
予算と実績を比較・分析しながら予算再編することで、より効率良く事業方針を固められるでしょう。
評価・フィードバック機能
予算管理システムを使って予算編成した場合、仮に予算達成できなかったときでもその原因を自動的に分析して、フィードバックしてくれます。
経営ノウハウがまだあまりない場合でも、フィードバック機能によりデータや経験を蓄積できます。
また、他にも多くの分析ツールがあり自動レポート機能もあるため、あらゆる角度から予算と実績の差異分析ができます。
表やグラフで分かりやすく可視化できるため、正当な社内評価にも役立つでしょう。
来期予算計画の提案機能
予算管理システムでは予算が達成できなかった場合、どの項目がどれくらい足りず、どういった原因があったのかなどが的確に分析できます。
原因が明確化することによって、質の高い来期予算を計画できるようになります。
計画と実行、そして改善まで上手く回せるようになるため、事業全体の成長に繋がるでしょう。
予算管理システムの7つの選び方・比較ポイント
予算管理システムは多くの会社が提供しており、それぞれ特徴が違います。
一方で、サービスが多くどれを選べば良いのか分からない方も多いでしょう。
この項目では、以下の選定ポイントについて詳しく解説していきます。
優先する機能で選ぶ
予算管理システムには、力を入れている機能が異なります。
- Excelの使用感を重視
- 一元管理を重視
- 分析機能を重視
自社が求める機能に特化したシステムを選ぶことで、高い費用対効果が期待できるでしょう。
利用業務の範囲と費用対効果のバランスで選ぶ
予算管理システムを選ぶ際は、自社の業務範囲に合ったものを選ぶことが重要です。
必要以上に高機能なシステムを導入すると、コストがかさむだけでなく、使いこなせない可能性もある一方、機能が不足していると、業務効率化の効果が限定的になってしまいます。
そのため、現在の業務範囲と将来的な拡張性を考慮しつつ、費用対効果のバランスが取れたシステムを選ぶことが肝心です。
導入前に社内の関連部署とよく協議し、最適なシステムを選定しましょう。
多言語・多通貨に対応しているか
今の事業がすでに海外展開をしている場合、もしくはこれからグローバル化を進めたいと考えている場合には多言語・多通貨に対応したシステムを選ぶと良いです。
中には、日本語と英語のみに対応したサービスもあるため、事業拠点を参照しながら注意して選定しましょう。
外部システムとの連携性
予算管理システム以外にも、多くのサービスを活用しながら効率良く事業を進めている方が多いですが、それらのシステムとの連携性も大事な選定ポイントです。
予算管理システムによって、互換性のあるシステムが異なるため、せっかく導入したけど既存のシステムと連携できないというトラブルが起きることもあります。
そのため、使っている外部システムと互換性があるかどうかは、導入前に確認しておくと良いでしょう。
ビジトラでは予算管理システムと連携することが多いツールの解説も行なっています。
- 経費の入力を自動化したい場合→経費精算システムおすすめ13選を比較を確認しましょう！
- 顧客管理から売上見込みを自動反映したい場合→CRMツールおすすめ比較15選を確認しましょう！
- プロジェクト別に損益を可視化したい場合→プロジェクト管理ツールおすすめ13選を比較を確認しましょう！
Excel運用からシステム移行がスムーズか
予算管理システムの導入を検討している場合、Excel運用では効率が悪いと感じていることが多いです。
そのため、システム導入後にこれまで活用していたExcelをスムーズにインポートできるのかは非常に重要です。
Excelとの互換性が低い場合は、導入時の作業コストが大幅に上がってしまうため気を付けましょう。
会計ソフトなどの周辺システムとの連携ができるか
予算管理は1つのシステムで行うのではなく、会計ソフトや原価計算システムなどを複合的に活用して行います。
そのため、予算管理システムを選ぶ際は予算管理に関する周辺システムとの連携性が高いものを選ぶと良いです。
自社で活用しているサービスと連携できるか、事前にしっかりと確認しましょう。
これから会計ソフトを導入する場合は、ビジトラの「クラウド会計ソフトおすすめ6選を徹底比較！事業規模別に最適なソフトを紹介」を参考にしてください。
複数の予算編成やシミュレーションが可能か
予算編成では、目標と実績の差異分析をしながら来期予算を決めていくことが一般的です。
売り上げが乏しく予算達成できなかった場合に的確な対策を取るためにも、あらゆる角度からシミュレーションできるかは非常に重要です。
そのため、精度の高い分析を行うためにもシミュレーション機能があるかどうかは確認しておきましょう。
予算管理システムを導入する上での注意点
予算管理システムは便利なツールではありますが、導入する上で注意するべきポイントがあります。
注意点は以下の通りです。
1つずつ詳しく解説していきます。
従来のExcel運営よりもコストがかかる可能性
予算管理システムは業務効率化の面ではExcel管理よりも優れていますが、費用的コストが多くかかる点には注意が必要です。
できるだけ費用コストを抑えながら導入したい場合は、クラウド型のサービスを選ぶと良いです。
クラウド型は比較的安価な金額で導入できるため、試験的に採用したい方にもおすすめです。
一方で、予算管理システムは社内に浸透するまでにも、人的コストがかかります。
システムが浸透せずに導入を断念するケースもあるため、社内で利用するためのマニュアル作成やフォローアップも重要となります。
このように、導入する上であらゆるコストが発生する可能性がありますので、予め理解しておきましょう。
システムの選択肢が制限される可能性
会社を運営していくうえで会計ソフトや原価管理システムなど、様々なシステムを導入する必要があります。
予算管理システムもその1つですが、すでに導入している他システムとの互換性には注意が必要です。
連携が上手くいかない場合は、自社業務の効率が逆に悪くなってしまうため、どの予算管理システムを導入するかは慎重に検討しなければなりません。
自社に合う予算管理システムを見つけたとしても、すでに導入している他のシステムと連携が上手くいかないのであれば、他の予算管理システムを探すしかありません。
このように、導入するシステムの選択肢が自社のシステム状況によって制限される可能性もあるため気を付けましょう。
予算管理システムのおすすめ10選を比較｜中小企業から大企業にまで対応
予算管理システムは多くの会社が提供していますが、特におすすめなサービスを表にまとめてご紹介します。
| サービス名 | BizForecast | Loglass | Sactona | DivaSystem FBX | Manageboard | DIGGLE | Jedox | Workday Adaptive Planning | board | CCH Tagetik |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 特徴 | Excelの使い勝手を重視 | Excelの使い勝手を重視 | Excelの使い勝手を重視 | Excelの使い勝手を重視 | 一元管理を重視 | 一元管理を重視 | 一元管理を重視 | 一元管理を重視 | 一元管理を重視 | 分析機能を重視 |
| 主な機能 | ●収集パッケージデザイン ●Excel インポート／エクスポート ●仕訳入力・検索 ●精算表 ●帳票管理・検索 ●ドリルダウン照会 ●マスタメンテナンス ●多言語対応 | ●編成プロジェクト機能 ●実績インポート機能 ●タイムマシン機能 ●コメント機能 ●配賦機能 ●ダッシュボード機能 | ●会計システムとのデータ連携 ●コメント情報の一元管理 ●集計作業・整合性チェック・締切管理 ●外貨換算や費目別・組織別の自動集計 ●各社データ入力と同時に連結消去データの作成 ●為替レート等のシミュレーション | ●各種マスタ設定 ●組織図の設定 ●権限設定 ●履歴管理 ●エラーチェック機能 | ●タグによる多軸分析 ●詳細計画の作成カスタムレポートの作成 ●ユーザー権限のカスタマイズ ●PL/BS/CF連動 ●会計ソフトとの連携 | ●予算・実績データの突合工数を大幅削減予算/実績データの突合および取り込みフォーマットの変換 ●レポートの自動集計 ●レポート共有機能 ●事業部が更新した見込み値の自動集計 ●差異分析機能ドリルダウン分析 | ●自動配賦機能 ●データ連携機能 ●データ加工機能 ●スケジュール機能 ●データ閲覧権限設定 ●データの変更履歴確認 | ●データの自動統合 ●予算管理と収益予測 ●レポート機能 ●ダッシュボード機能 ●プロセス管理 ●既存・他システムとの統合 | ●発注管理 ●自動ロック設定 ●支払管理 ●各種書類の作成と案件ごとの管理 ●会計ソフトへの連携 ●書類テンプレート機能 ●送付状の作成 | ●予算編成機能 ●収益性分析機能 ●財務報告機能 ●開示管理 ●コンプライアンス規制報告機能 ●アナリティクス機能 ●ダッシュボード機能 |
上記の中でも、BizForecastは導入実績も豊富で、これまで運用していたExcelデータを効果的に活用できるためおすすめです。
予算管理に必要な機能はもちろん、人事評価や案件管理、会計に必要な基本的機能も全て搭載されているため、あらゆる業務において効率化が図れます。
多言語・多通貨にも対応しているため、グローバル化を視野に入れている場合でもしっかりと対応してくれるでしょう。
また、予算管理と人事評価はツールを分けたい場合は、ぜひビジトラの「人事管理システムおすすめ比較20選｜タイプ別に図解・比較表付き」を参考にしてください。
それでは、1つずつ詳しく解説していきます。
BizForecast
出典：https://www.primal-inc.com/product/bizforecast/
BizForecastはプライマル株式会社が提供する予算管理システムです。
Excelを使い慣れた方がスムーズに導入できるよう配慮されており、Excelデータのインポートやエクスポートが簡単に行えます。
Excelの書式や関数をそのまま反映させられるため、これまで蓄積したデータやノウハウを最大限活用できます。
予算管理以外にも、人事評価やプロジェクト・案件管理などの経営管理業務に活用でき、グループ全体のデータを一元管理して効率的に運用できます。
経費精算などの業務を構築した事例もあります。
特に管理会計や予算管理に必要な機能が揃っているため、経理・経営企画部門の業務の効率化が図れると考えられます。
ちなみに、多言語や多通貨に対応している点も魅力の1つです。
具体的な料金については問い合わせが必要なため、気になる方は相談してみると良いでしょう。
Loglass
Loglassは株式会社ログラスが提供するサービスです。
クラウド型のサービスなので常に最新の状態を保つことができ、情報の共有も簡単。
従来のExcelを活かせる機能が搭載されています。
特に、Excelやスプレットシートのフォーマットを自動生成・自動送付ができる、編成プロジェクト機能はLoglassの特徴の1つです。
各部門から提出されたデータを自動的に統合してくれるため、データの入力や管理にかかるコストが一気に減ります。
また、提出されたデータを修正した場合、どこを編集したかなどを詳しく追跡できるタイムマシン機能も優秀です。
修正点を遡って確認できるため、安心してデータ運用ができます。
さらに作成したデータに対してシステム上でやり取りができる、コメント機能もあるため様々な面で業務効率化が期待できます。
料金については問い合わせが必要なため、気になる方で一度相談してみると良いでしょう。
Sactona
出典：https://www.outlook.co.jp/sactona/
Sactonaはアウトルックコンサルティング株式会社が提供するサービスで、利用者が10人程度の小規模から1,000人ほどの大規模まで対応できます。
従来のExcelで得た知識を最大限生かせるようなデザインで、作業画面もExcelと同じ仕様になっています。
データのインポートはもちろん、レポートの出力機能も簡単に行え、自由自在に変更できるレイアウトと高い操作性から社内への浸透もスムーズです。
入力されたデータは自動的に外貨換算してくれる点も特徴です。
またグループや部門の予算データを一元管理できるため、会社全体を通してスムーズな情報共有と業務の効率化が図れます。
具体的な料金については問い合わせが必要ですが、Excelの操作感そのままに作業環境を改善したい方は相談してみると良いでしょう。
DivaSystem FBX
出典：https://www.diva.co.jp/products_services/fbx
DivaSystem FBXは株式会社ディーバが提供するサービスで、すでに予算管理で使用しているExcelのデータをそのまま活用できるシステムです。
データの集計や過去の履歴管理、さらにエラーチェックまで自動化できるため、人力で行っていた作業コストを大幅に削減できます。
DivaSystem FBXにデータ収集用のExcelをアップロードすると自動的に各部署の担当者に送信され、担当者は入力後のファイルをアップロードするだけで報告が完了します。
このように、グループ単位で財務情報のデータ収集から統合まで一元管理できる点が魅力です。
手作業で行っていたファイルの共有作業が格段に効率アップするため、データを運用するための分析に時間を割くことができます。
料金については問い合わせが必要なため、気になる方は1度相談してみると良いでしょう。
Manageboard
出典：https://service.manageboard.jp/
Manageboardは株式会社ナレッジラボが提供する予実管理クラウドで、会計ソフトやCSV・スプレッドシートとの連携によりデータを一元管理できるシステムです。
直感的に操作できるクラウド型の画面上で、予算策定から予実管理までの業務を完結させられます。
実績のある公認会計士が開発したシステムなので、実際の現場レベルで活用できる機能がたくさん搭載されています。
そのためシステム導入後、社内に浸透するスピードも早い傾向にあります。
予算の進捗状況の確認や各担当者、各部署ごとの売り上げ予算の管理。
さらにレポートの作成機能や会計ソフトとの連携など、予算管理業務の大幅なコストダウンが期待できます。
中小企業から中堅企業まで幅広い規模の企業で利用されており、特に「Excel管理からクラウド予実管理へ移行したい」企業に適したシステムです。
DIGGLE
DIGGLEはDIGGLE株式会社が提供するサービスで、予算の一元管理を中心に設計されています。
予実管理に必要な作業を効率化し、より精度の高い試算が行えるよう工夫されているため、経営方針を決める分析にも役立ちます。
これまでExcelで管理していた予算表や実績データも、CSVなどで取り込んで一元管理できるため、従来のノウハウや勘定科目の構成を活かしながらクラウドに移行できます。
比較的操作が簡単に行えるため、難しい知識が不要で直感的に活用できるでしょう。
また、スモールスタート向けのプランから、大規模利用を想定したプランまで用意されているため、自社の規模や体制に合わせて最適なプランで導入できます。
データの自動集計や共有が簡単に行えるようになるため、事業規模に合わせて予算管理業務の効率化を図りたい方は具体的な料金について相談してみると良いでしょう。
Jedox
出典：https://www.jedox-partner.jp/
Jedoxはテクマトリックス株式会社が提供するサービスで、中堅や大企業向けのシステムとなっています。
一元管理に特化したシステムなので、グループや部署ごとで個別に予算管理を行っている大企業ほど業務の効率化を体感できるでしょう。
CSVデータの取り込みも可能で、入力支援機能もあるため手作業による入力コストと誤入力などを防ぐことができます。
商品や部署・スタッフの入れ替えなどは、CSVに入力して登録するだけで簡単に修正できる点も特徴です。
他にもデータの閲覧権限を管理する機能や、過去のデータ変更履歴の閲覧なども可能です。
業務フローを可視化することによって、データの信頼性が上がり分析の質を上げることができます。
具体的なプランや料金については問い合わせが必要なため、中堅や大企業でデータを一元管理したい方は1度相談してみると良いでしょう。
Workday Adaptive Planning
出典：https://www.workday.com/ja-jp/products/enterprise-planning/overview.html
Workday Adaptive Planningはワークデイ株式会社が提供するサービスで、全世界で約5,200社以上の企業が導入しています。
予算の一元管理に力を入れているシステムですが、使い心地はExcelに近い点が特徴です。
合わせて、入力補助機能や進捗管理機能なども搭載されているため、Excelだけでは実現できなかった使用感を味わえます。
予算管理はグループや部署ごとにフォーマットを自動的に展開し、担当者がデータを入力すれば組織階層に合わせて自動集計してくれます。
他にもレポート出力や差異分析機能などもあるため、集積データの運用までしっかりとフォローしてくれます。
料金は問い合わせが必要なため、気になる方は1度相談してみると良いでしょう。
board
boardはヴェルク株式会社が提供する、見積書・請求書作成から販売管理、売上見込みや予算管理までをカバーするクラウド型業務・経営管理システムです。
売上や損益分岐点などの目標値を設定しておくと、売上グラフ上に目標値が表示され、目標に対する達成度合いや過不足を一目で確認できるようになります。
予算管理に加えて各種書類の作成や帳票発行の作業コストを削減し、企業全体の業務をフォローしてくれます。
書類は案件ごとに作成と管理ができ、会計ソフトへの連携もできる点も特徴です。
法人向けのBasicプランは月額1,980円（税抜）から利用できるため、費用を抑えながら業務全体の効率アップを図りたい中小企業にも導入しやすい価格帯です。
CCH Tagetik
出典：https://www.wolterskluwer.com/ja-jp/solutions/cch-tagetik
CCH Tagetikは、SCSK株式会社が提供するサービスで特に分析機能を重視したシステムとなっています。
収益性分析機能やアナリティクス機能などに加え、SAPとの連携やETL機能を活用して、多くのデータを一度に分析できる点が特徴です。
またデータを一元管理することで予算の編成や計画業務を強化し、より掘り下げた分析が可能となります。
多通貨や多言語にも対応しているため、具体的な導入コストが気になる方はサポートに相談してみると良いでしょう。
予算管理システムに関するよくある質問
予算管理システムを導入する前には、様々な疑問が出てくるものです。
この項目では、以下のよくある質問に答えていきます。
- 予算管理システムは無料で使える？
- 予算管理システムは基本的に有料のシステムなので、無料で使えるケースは少ないです。
また無料で提供しているツールがあった場合でも、機能面やセキュリティ面が乏しいケースが多いため、大事なデータを扱ううえであまりおすすめはできません。
システムを試験的に導入してみたい場合は、有料サービスが提供している無料トライアルなどを活用すると良いです。
運営サポートに相談することでも疑問や不安は解消できるので、気軽に問い合わせてみると良いでしょう。
- 中小企業でも導入するべき？
- 予算管理システムの導入基準としては、予算管理にどれだけ注力しているかです。
そのため、中小企業の中でもExcelを活用して積極的に予算管理を行っている場合は導入するメリットはあります。
ですが、あまり力を入れていないのであればランニングコストがかかるばかりで、意味のあるシステムにはなりません。
なので、事業規模だけで考えるのではなくて、現状の予算管理で発生している人件費などを考慮しながら検討すると良いでしょう。
- 予算管理システムの導入形態パッケージ型ととweb上のクラウド型のどちらがおすすめ？
- 予算管理システムにはパッケージ型とクラウド型の2種類があり、導入形態の違いによってメリットデメリットがあります。
パッケージ型は自社のサーバーにソフトをインストールして利用するタイプです。
初期費用は大きくかかるケースが多いですが、その分1度導入すれば月額料金はかかりません。
システムの導入によってランニングコストが発生しない点が特徴です。
一方で、システムのアップデートなどは手動で行う必要があるため、長期的に利用していくうえでは定期的に作業が必要となります。
クラウド型の場合は自社サーバーにソフトをインストールする必要がないため、簡単に導入でき初期費用も必要ないケースがほとんどです。
また、システムも常に最新の状態を保ってくれるため、アップデート作業なども不要です。
初期費用はかかりませんが、利用していく限り月額料金が発生する場合がほとんどなので、システム運用にあたってランニングコストが発生してしまいます。
どちらも一長一短ありますので、自社の事業形態や業務内容を考えながら選択しましょう。
