近年、企業のSaaS利用は増加しており、特に従業員数の多い企業では、利用するSaaSが20個以上に達するケースもあります。この状況下で、アカウント管理の煩雑化、セキュリティリスク、コストの無駄遣いなど、様々な課題が浮上しています。
SaaS管理ツールは、これらの課題を解決する有効な手段として注目を集めています。複数のSaaSアカウントを一元管理し、セキュリティを強化しながら、運用コストを最適化することができます。
本記事では、数多く存在するSaaS管理ツールの中から、特に注目の10製品を厳選して紹介します。各ツールの特徴や機能、価格帯を詳しく比較することで、御社に最適なツール選びをサポートします。
導入目的の明確化から、既存SaaSとの連携可否、セキュリティ対策まで、選定に必要な視点もご説明します。この記事を読むことで、SaaS管理の課題を解決し、業務効率の向上とコスト削減を実現する最適なツール選びが可能になります。
| サービス名 | ワスレナイ![]() | マネーフォワード Admina![]() | freee IT管理![]() | ジョーシス![]() | デクセコ![]() | ITboard![]() | SaaSパトロール![]() | OPTiM サスマネ![]() | YESODアカウントコントロール![]() | LOCKED![]() |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 機能 | ・SaaS/IT資産の一元管理 ・契約・更新日の管理 ・利用状況/コストの可視化 ・休眠アカウント/シャドーID検知 ・入退社時のアカウント処理 ・IT資産の棚卸し | ・SaaSアカウント/利用状況の可視化 ・契約更新管理 ・支払データに基づくコスト管理 ・シャドーIT/外部公開ファイル検知 ・アカウント作成・削除 ・デバイス/MDM情報の管理 ・棚卸しサーベイ | ・SaaSアカウントの一元管理/棚卸し ・不要なシャドーアカウントの検出 ・アカウント発行・変更・削除の自動化 ・シャドーIT/シャドーAI検知 ・デバイス/備品管理 ・ITコストの可視化 ・AIによる月次管理レポート | ・SaaS/従業員/デバイスの一元管理 ・シャドーIT/シャドーAI検知 ・ライセンス/契約管理 ・アカウント発行・変更・削除 ・アクセス申請/承認 ・アカウント・権限の棚卸し | ・SaaS契約/アカウントの一元管理 ・利用状況/コストの可視化 ・ブラウザ拡張機能によるシャドーIT検知 ・SaaSアカウントの棚卸し ・PC/スマートフォンなどのIT資産管理 ・入退社時のタスク管理 | ・SaaS契約/更新日管理 ・利用状況/コストの可視化 ・シャドーIT検知 ・退職者/外部ユーザーの削除漏れ検知 ・未ログインアカウントの特定 ・コストダッシュボード | ・SaaS/テナント台帳管理 ・退職者/利用者不明アカウントの検知 ・SaaS利用の申請・承認ワークフロー ・テナント/ユーザーの棚卸し ・シャドーIT検知 ・未許可利用者への申請依頼/禁止通達 | ・SaaSアカウント/利用状況の可視化 ・オンプレミス/自社開発ソフトの可視化 ・削除漏れID/シャドーIT検知 ・アカウント作成・削除 ・ITデバイス台帳 ・SaaS契約/更新日/コスト管理 | ・SaaSアカウントの作成・削除 ・権限/グループの付与・剥奪 ・所属・役職に基づく権限セット管理 ・入退社/異動を起点とした自動処理 ・アカウントと人事情報の名寄せ ・処理タスク/実行ログの管理 | ・SaaSアカウント/ライセンス/権限の台帳化 ・アカウント作成・変更・停止・削除 ・権限ルール/権限棚卸し ・SSO/多要素認証/アクセス制御 ・PC/スマートフォンのデバイス管理 ・アプリ配布/リモートワイプ |
| 料金 | 基本機能:永年無料 初期費用・月額料金:0円 運用代行など:要問い合わせ | 50ID以下:永年無料 51ID以上:月額300円/ID 支援・BPOプラン:要問い合わせ | 月額300円/ID 年契約・年払い 最低50ID 初期費用:0円 | 要問い合わせ | 要問合せ | 初期費用:0円 月額料金:要問い合わせ 契約期間:年間 | 月額8万円~(税抜) 最低契約期間:1年 年額一括払い ユーザー数:無制限 | 500ID以下:月額250円/ID(税抜) 501ID以上:要問い合わせ | 有効登録ユーザー数に応じた月額課金 詳細:要問い合わせ 最低契約期間:1年 ボリュームディスカウントあり | ID課金 LOCKED DAS:要問い合わせ 製品の組み合わせにより変動 |
| 連携できるSaaS数 | 約200種類(2025年4月時点) | 380種類以上 ※2026年1月時点 | 200超 | 350以上 AI連携ビルダーによる独自連携にも対応 | 検出用SaaSデータベース:2,000以上 ※アカウント情報をAPI連携できるSaaS数は非公開 | スタンダード:100サービスまで プレミアム:無制限 ※プラン上の接続上限 | 具体的なサービス数は非公開 メール検知:Exchange Online ログ連携:SKYSEA・LANSCOPEのオンプレミス版 | 具体的な連携数は非公開 API未連携のSaaSやオンプレミスソフトも検知可能 | 具体数は非公開 公開接続先+汎用SCIM対応サービス 接続先は順次追加 | LOCKED DAS:約90コネクタ 個別のシステム連携開発にも対応 |
| 無料トライアルの有無 | 基本機能が無料で利用可能 | あり(2週間) 全機能を利用可能 | あり 期間・条件は要問い合わせ | あり(14日間) ※Josys Discoveryが対象 | あり(1カ月) | あり | 要問い合わせ 公式ページに期間・条件の公開なし | あり(原則14日間) すべての機能を利用可能 | 要問い合わせ | 要問い合わせ |
| 強み | ・基本機能を制限なく無料で利用可能 ・SaaSとPCなどのIT資産を従業員単位で管理 ・導入・運用サポートも無料 | ・支払額と実際の利用状況を照合可能 ・国内外の幅広いSaaSに対応 ・SaaS、契約、コスト、デバイスを従業員軸で管理 | ・申請から発行、棚卸し、削除までを自動化 ・freee会計/人事労務などとデータを連携 ・SaaSだけでなくデバイス・備品も管理 | ・SaaS管理からIDガバナンスまで対応 ・権限やMFA/SSOの設定不備も検知 ・API非対応SaaSの連携を作成可能 | ・ブラウザ上の利用実態からシャドーITを把握 ・SaaSと物理的なIT資産を従業員軸で管理 ・アンケートを使ったアカウント/端末棚卸しに対応 | ・約1万件のITreview製品データを使ってシャドーITを検知 ・シンプルな管理画面で利用状況とコストを可視化 ・専任担当者による月次支援あり | ・既存のメールやWebアクセスログを使ってシャドーITを検知 ・検知から申請、台帳登録、棚卸しまで一連で管理 ・ユーザー数によって基本料金が増えない | ・端末エージェントによりAPI非対応ソフトも自動検知 ・SaaS、オンプレミス、端末、契約を従業員軸で管理 ・未承認ソフトの利用頻度まで確認可能 | ・人事・組織マスターを基準にアカウントと権限を統制 ・入社・異動・退職日を基準に処理を予約可能 ・複雑な組織構造や権限管理に向くIGA製品 | ・IGA、SSO、MDMを同一シリーズで導入可能 ・複雑な権限ルールや既存業務に合わせてカスタマイズ ・要件定義から連携開発、運用支援まで依頼可能 |
SaaS管理ツールおすすめ10選を一覧で比較
ワスレナイ|基本機能を無料で使えるSaaS・IT資産管理ツール

ワスレナイは株式会社SHIFTが提供するSaaS・IT資産管理ツールです。SaaSごとの契約プランやアカウント数、利用料金、契約開始日・更新日を集約できるほか、PCやスマートフォンなどのハードウェアも同じ画面で管理できます。従業員とSaaSアカウント、デバイスを紐づけられるため、「誰がどのサービスや端末を利用しているのか」を人単位で確認しやすい点が特徴です。
単にSaaSの契約情報を台帳化するだけでなく、入退社に伴うアカウントの作成・削除を自動処理できる点も強みです。部署・役職・職種を条件に管理ルールを設定できるため、入社する従業員の所属に応じて必要なSaaSを割り当てるといった運用にも対応します。処理日時の予約やタスク通知、変更履歴を残すログ・メモも備えており、担当者の記憶や個別のExcelに依存していたアカウント管理を、複数人で引き継げる業務フローへ移行できます。
SaaSの利用実態を把握する機能も充実しています。ログイン状況から利用頻度を計測する「アクティブ検知」により、契約しているものの使われていないアカウントを見つけやすくなります。未許可のアカウントは「シャドーID」として検出でき、業務委託先やプロジェクトメンバーが正当に利用している場合は、ゲストアカウントとして承認することも可能です。すべてを一律に削除対象とするのではなく、利用の必要性を確認しながら統制できるため、外部人材との協業が多い企業にも適しています。
契約更新日を通知するアラートや、アカウント数・ライセンス数・未利用率・利用料金をまとめるレポートも用意されています。利用者にアンケートを送り、継続利用の必要性を確認することもできるため、ログイン履歴だけでは判断しにくいSaaSについても、現場の意向を踏まえて契約を見直せます。削除漏れを防ぐセキュリティ管理と、未利用ライセンスを減らすコスト管理を一つの運用にまとめられる点が、ワスレナイの大きな特徴です。
有料のSaaS管理ツールを導入するほど予算を確保できないものの、Excelによる管理から脱却したい企業や、少人数の情報システム部門で入退社対応・棚卸し・契約更新を抱えている企業に向いています。まず無料でSaaSとIT資産の台帳を整備し、必要に応じて運用代行まで追加できるため、管理体制の成熟度に合わせて段階的に活用しやすいサービスです。
マネーフォワード Admina|支払データと利用実態を突き合わせてSaaSの無駄を見つける

引用:https://admina.moneyforward.com/jp
マネーフォワード Adminaはマネーフォワードi株式会社が提供するSaaS・IT資産管理ツールです。従業員情報を基点に、各従業員が保有するSaaSアカウントやデバイス、契約情報を紐づけて管理できます。「誰がどのSaaSを使っているか」「退職者のアカウントが残っていないか」「契約しているライセンスが実際に使われているか」を一つの画面から確認しやすい点が特徴です。
連携可能なSaaSは、380種類以上に拡大しています。このうち、アカウントの新規発行と削除の両方をAdminaから操作できるSaaSは200種類を超えており、国内外の主要サービスだけでなく、各部門が個別に導入する営業・人事・デザイン・生成AI関連のSaaSまで管理対象を広げています。ユーザーから連携要望を受けたSaaSを優先して開発する方針を採っているため、未対応の国内サービスを利用している企業も追加連携を相談できます。
AdminaはSaaSの支払額と利用実態を照合するコスト管理に強みがあります。クラウド会計ソフトとの連携やCSVインポートによって支払データを取り込み、独自のSaaSデータベースと照合することで、毎月どのサービスにいくら支払っているのかを可視化します。さらに、各SaaSのAPI、Googleログイン、ブラウザ拡張機能などから取得した利用状況を組み合わせ、長期間使われていないアカウントを抽出できます。契約金額を登録するだけの台帳管理とは異なり、「支払っている金額」と「実際に使っている人」を突き合わせて、削減候補を探せる点が強みです。
入退社に伴うアカウント処理には、「Admina Automation」が用意されています。人事情報をもとに、必要なSaaSアカウントの作成・削除を事前に予約し、指定した日時に実行できます。一般的なID管理基盤では自動化しにくい、SAMLやSCIMに対応していないSaaSも処理対象にできる点が特徴です。月末の退職処理や月初の入社対応を前もって設定しておけば、作業が特定の日に集中するのを避けながら、削除漏れや発行忘れを防げます。
また、社内で正式に許可されていないのに、従業員が個人や部門単位で使い始めてしまうITサービス(いわゆるシャドーIT)の検知も、Adminaが重点を置く機能の一つです。Googleアカウントによるログイン情報、Chromeのブラウザ拡張機能、会計・経費データなど複数の情報源から、情報システム部門が把握していないSaaSを検出します。検出したサービスについて、「いつ」「誰が」「何を利用したのか」を管理画面から確認でき、そのまま正式な管理対象としてAdminaに連携することも可能です。CASBのような大規模なセキュリティ環境を構築せずに、従業員が部門や個人で使い始めたSaaSを把握したい企業に適しています。
Google DriveやBoxなどのクラウドストレージにおいて、外部公開されているファイルを一覧化する機能も備えています。SaaSそのものの利用有無だけでなく、共有設定の誤りによる情報漏洩まで確認できるため、シャドーITの発見後に利用を禁止するだけではなく、利用中のサービスを安全な状態に整えるところまで管理できます。
2025年12月には、Adminaに集約したSaaS・デバイス・従業員データを利用して棚卸しを行う「サーベイ機能」も追加されました。特定のSaaS利用者やデバイス所有者を抽出して調査を配信でき、従業員はSlackやメールに届いた専用リンクから回答できます。回答状況の確認や未回答者へのリマインドも自動化できるため、管理者がスプレッドシートで対象者を整理し、個別に連絡・集計していた棚卸し作業を効率化できます。
freee IT管理(旧:Bundle by freee)|アカウントの申請から棚卸しまで一連の運用を自動化

引用:https://www.freee.co.jp/it-management/
freee IT管理はフリー株式会社が提供するSaaS・デバイス一元管理ツールです。旧名称は「Bundle by freee」でしたが、2025年12月に名称を変更し、従来のIT資産管理やアカウント管理に加えて、シャドーITの検知、ITコストの適正化、AIを活用したリスク分析まで扱うサービスへ機能を拡張しています。
freee IT管理は人事データを基点に、入社・異動・退職に伴うSaaSアカウントの発行や削除を自動化できます。部署や雇用形態の変更に合わせて必要なアカウントを調整できるため、組織改編や一斉入社のたびに各SaaSの管理画面を開いて処理する負担を減らせます。従業員からのアカウント申請、上長や管理者による承認、承認後のアカウント発行も一つのワークフローにまとめられます。発行理由や承認履歴が残るため、棚卸しの際に「なぜこの従業員がアカウントを持っているのか」を確認しやすい点も強みです。
コスト管理はSaaS別だけでなく、部署別・雇用形態別に支出額を可視化できます。未使用アカウントと契約金額をもとに削減可能額を算出し、実際にどれだけコストを改善できたかをレポート化することも可能です。さらに、freee会計やfreeeカードなどとの連携により、会計データ上のSaaS支払いと管理台帳を突き合わせ、情報システム部門が把握していない契約を検出する機能も強化されています。
名称変更後はAIが未使用アカウントへの課金や権限設定の不備、未承認ツールの利用などを分析し、対応すべき項目を月次レポートとして提示する機能も追加されました。アカウントの発行・削除を効率化するだけでなく、申請、承認、棚卸し、コスト確認、リスク是正までを同じ基盤で管理したい企業に適しています。
2026年4月には、会社が許可していない生成AIなどを従業員が利用する「シャドーAI」への対策を強化し、15,000以上のAIツールを検知対象に追加しました。生成AIの利用を一律に禁止するのではなく、誰がどのツールを利用しているかを把握した上で、正式に許可するか、利用停止を求めるかを判断しやすくなりました。同年6月には、標準の連携先に含まれていないSaaSとも接続しやすくする「カスタムSCIM連携」の提供を開始しました。SCIMとは、従業員情報とSaaSのアカウント情報を自動でやり取りするための共通仕様です。接続先のSaaSがこの仕組みに対応していれば、freee IT管理に標準登録されていない業界特化型・海外製のサービスでも、アカウントの取得、発行、情報変更、削除を自動化できる場合があります。
ジョーシス|SaaS・ID・デバイスを人単位で可視化し、アクセス統制まで進められる

ジョーシスは社内で利用するSaaSのアカウントやライセンス、従業員情報、ITデバイスを一つの基盤で管理できるプラットフォームです。SaaSへアクセスする人・システム・AIエージェントなどのアイデンティティを管理する「アイデンティティセキュリティ基盤」へとサービス領域を広げています。
SaaSの把握には、Microsoft Entra IDやGoogle WorkspaceなどのIDプロバイダーとの連携に加え、ブラウザ拡張機能を利用します。350種類以上のSaaSと連携し、正式に導入したサービスだけでなく、従業員が個別に使い始めたシャドーITも検出可能です。誰がどのアプリへアクセスしているかを従業員単位で確認できるため、部門ごとに契約や利用実態が分散している企業でも、SaaSの全体像を把握しやすいです。
管理画面はアカウントの有無だけでなく、ライセンスの種類から利用状況、ユーザーの権限、管理者アカウントの所在まで確認できます。使われていないライセンスや未割当ライセンスを抽出して契約の見直しにつなげられるほか、SSO・MFAが設定されていないアカウントや、不要な管理者権限が残っている状態も見つけられます。契約更新アラートも備えており、コスト削減と過剰権限の是正を同じ管理画面から進められる点が特徴です。
入社・異動・退職に伴うアカウント処理では、人事システムやIDプロバイダーと連携し、所属部署や役職に応じたアカウントの発行、権限変更、削除を自動化できます。SaaSの利用申請から上長・管理者による承認までをワークフロー化できるため、アカウントを発行した理由や承認者も記録できます。標準連携されていないSaaSについても、AI連携ビルダーが画面操作やデータ項目の対応関係を学習し、連携処理を構築する仕組みが用意されています。
近年は、SaaSを一覧化して担当者が判断する運用から、AIが利用傾向や権限状態を分析してリスクを検出する運用へと進化しており、発表されていた機能の一部はすでに実装・提供が進みつつあります。2026年6月には、漏洩した認証情報の検知やAIエージェントの検知・管理、AIによるポリシーの自動実行の3機能を提供開始しました。SaaSの契約・コスト管理だけでなく、シャドーITや特権アカウントを含めたアクセス統制まで強化したい企業に適しています。
デクセコ|SaaSとIT資産を一つの台帳に集約して管理の抜け漏れを防ぐ

デクセコは株式会社オロが提供するSaaS・IT資産管理ツールです。SaaSの契約情報やアカウントや利用状況、支払額に加え、PCやスマートフォンなどのIT資産も同じ基盤で管理できます。従業員ごとに利用中のSaaSと貸与端末を紐づけられるため、SaaS台帳とデバイス台帳が別々に管理され、情報が一致しなくなる問題を防ぎやすい点が特徴です。
デクセコはブラウザ拡張機能を使ったSaaS利用状況の把握が強みです。従業員がブラウザからアクセスしたSaaSと利用頻度を収集し、管理台帳に登録されていないサービスをシャドーITとして可視化します。全面的にアクセスを制限するのではなく、現場のSaaS利用を妨げずに、情報システム部門が利用実態を把握する仕組みを整えられます。
検出したSaaSについては、誰がアカウントを保有しているか、最後に利用したのはいつか、退職者のアカウントが残っていないかを確認できます。さらに、従業員へ利用目的や継続利用の必要性を尋ねるシャドーITサーベイを実施できるため、アクセス履歴だけでは業務利用か私的利用かを判断できないサービスも、回答結果を踏まえて管理対象への追加や利用停止を検討できます。
契約管理機能では契約期間や更新日、料金体系、契約担当者などを登録し、更新期限や担当者の退職をアラートで把握できます。会計システムから取得した実際の支払額と契約情報を照合できるため、契約上の金額と請求額のずれや、利用されていないアカウントへの継続課金を見つける際にも役立ちます。単純な支出集計ではなく、契約・支払い・利用状況を組み合わせて見直し対象を判断できる点が強みです。
入退社時にはSaaSアカウントの発行・削除、端末の準備・回収などをタスクとして登録し、担当者や期限、進捗状況を管理できます。Slackへの通知にも対応しているため、複数の担当者が関わる入社準備や退職処理でも、対応漏れを防ぎやすくなります。API連携による完全な自動処理を強みとする製品というより、SaaSとIT資産に関する作業を一つの業務フローとして管理できる製品と捉えるのが適切です。
ITboard|1万件超の製品データを活用してシャドーITを検知

ITboardはソフトバンクグループのアイティクラウド株式会社が提供するSaaS管理プラットフォームです。各SaaSから取得したアカウント情報を、従業員・部署・サービス単位で整理し、利用状況や契約コストを一つの画面から確認できます。SaaSの利用実態を継続的に可視化し、削除漏れや無許可利用、契約の無駄を見つけることに重点を置いたサービスです。
特徴的なのが、同社のSaaSレビュープラットフォームであるITreviewが保有する1万件超の製品データを活用したシャドーIT検知です。ChromeやEdgeのブラウザ拡張機能などから取得したアクセス先と製品データを照合し、会社が契約を把握していないSaaSを検出します。誰が、いつ、何回利用したかまで確認できるため、偶発的なアクセスと継続的な業務利用を区別しながら対応を検討できます。
正式に契約しているSaaSについては、API連携によってユーザー情報を定期的に取得し、サービス別・従業員別の利用台帳を自動更新します。人事情報と照合することで、退職者や外部ユーザー、一時利用者のアカウントが残っている状態を検知できるため、管理者が各SaaSの管理画面を順番に確認する負担を軽減できます。アカウントの発行・削除を広範に自動化する製品というより、削除すべきアカウントを見つけ、対応漏れを防ぐ用途に強みがあります。
契約管理ではサービスごとの契約期間や更新時期、計上予定金額を集約し、更新前のアラートを設定できます。利用コストはダッシュボードやグラフで推移を確認できるため、未利用アカウントの削除だけでなく、契約更新前のライセンス数やプランの見直しにも活用できます。SaaSの利用状況と実際のコストを同じ画面で確認し、経営層への報告や予算管理につなげやすい点も特徴です。
また、企業ごとに専任担当者が付き、初期設定から運用開始後の活用までを支援します。月1回の定例ミーティングも案内されているため、ツールを導入して台帳を作ったものの、その後の棚卸しや削減施策が進まない企業にも適しています。料金は管理対象のID数などに応じた見積もり制で、スタンダードプランは100サービスまで、プレミアムプランは接続可能なサービス数が無制限です。SaaS管理に多機能な自動化を求める企業よりも、まず利用状況とリスクをシンプルに可視化し、専任担当者と管理体制を整えたい企業に向いています。
SaaSパトロール|シャドーITの検知から申請・棚卸しまで一連の運用を整備

引用:https://www.softbank.jp/business/service/security/saas-patrol/
SaaSパトロールはソフトバンクが提供するSaaS管理サービスです。社内で利用されているSaaSをサービス単位・テナント単位で台帳化し、従業員マスターと照合することで、退職者や利用者が不明なアカウントを検知できます。アカウントの作成・削除を幅広く自動化する製品というより、情報システム部門が把握していないSaaSや削除漏れを発見し、社内ルールに沿った利用へ戻すことに強みがあります。
シャドーITの把握には、Microsoft 365のExchange Onlineに届くSaaS事業者からの通知メールを利用します。さらに、オプションでSKYSEA Client ViewまたはLANSCOPE エンドポイントマネージャーのWebアクセスログを取り込めるため、個人アドレスで登録したサービスや、社内ネットワークを経由しない利用も検知対象にできます。ブラウザ拡張機能や専用エージェントを全端末へ新たに配布せず、既存のメール・端末管理環境を利用してSaaSの利用実態を把握できる点が特徴です。
検知したSaaSは、利用方針を「許可」「要申請」「禁止」に分けて管理できます。未許可で利用している従業員には、管理画面から利用申請の依頼や禁止通達を一括送信でき、従業員は実際にアクセスしたURLを確認しながら、利用目的を選択式のアンケートで回答します。そのため、業務上必要なサービスは正式な申請へ進め、不要または危険なサービスは利用停止を促すところまで運用できます。
2025年3月には、SaaSやアカウントの利用申請・承認を管理するワークフローと、テナント・利用ユーザーを定期確認する棚卸し機能が追加されました。承認された情報はサービス台帳へ自動反映されるため、申請書や社内ワークフローの内容をExcelへ転記する手間や、台帳との不整合を減らせます。棚卸しでは、各テナントの管理者や利用者へ一斉に確認を依頼し、進捗の確認や未回答者へのリマインドも可能です。提供開始当初の「SaaSを検知して台帳に載せる」仕組みから、申請・承認・登録・棚卸しまでを継続的に回すサービスへ発展しています。
OPTiM サスマネ|API非対応のSaaSやオンプレミスソフトまで自動検知

引用:https://www.optim.co.jp/ops/
OPTiM サスマネは株式会社オプティムが提供するSaaS管理ツールです。PCへエージェントアプリを導入することで、Webアプリだけでなく、デスクトップアプリ、オンプレミスソフト、自社開発ソフトの利用状況まで把握できます。社内に存在するソフトウェアを幅広く棚卸ししたい企業に適したサービスです。
2025年には、人事情報の変更を起点にSaaSアカウントを発行・停止・削除する自動プロビジョニング機能が追加されました。Microsoft 365やSmartHRなどの人事マスターを参照し、入社日や退職日、部署異動に合わせて処理を実行できます。従来のOPTiM サスマネは利用状況の可視化が中心でしたが、この機能追加により、発見した削除漏れを管理者へ通知するだけでなく、入退社に伴うアカウント処理そのものを自動化できるようになりました。
契約管理台帳では一つのSaaSに複数の契約がある場合も、契約期間や自動更新の有無、更新期日をまとめて管理できます。更新前のアラートや月別コストの可視化により、利用されていないアカウントを契約更新前に整理しやすくなります。アカウント台帳・利用状況・契約情報を同じ基盤で確認できるため、契約だけが残っているサービスや、契約数と実際の利用者数が合わない状態の発見にも役立ちます。
2026年2月には、部署・チーム・プロジェクト単位で管理画面の操作権限を分ける機能も追加されました。各部門の担当者には自部門が利用するSaaSだけを管理させながら、情報システム部門は全社状況を統括できます。SaaSの契約や運用が部門ごとに分散している企業でも、すべての作業を情シスへ集中させず、管理責任を現場へ適切に分担できる点が強みです。
YESODアカウントコントロール|人事・組織データを基準にSaaSの権限を統制

引用:https://yesod.co/accontcontrol
YESODアカウントコントロールは株式会社イエソドが提供するIGA(Identity Governance and Administration)ソリューションです。複数の人事システムに分散した従業員・組織情報を「YESODディレクトリサービス」に統合し、そのデータを基準として、各SaaSのアカウント作成・削除や権限の付与・剥奪を管理します。YESODアカウントコントロールは「誰が、どの業務上の理由で、どの権限を持つべきか」を統制することに強みがあります。
特徴は部署・役職・雇用形態・所属プロジェクトなどを条件に権限セットを作成できる点です。人事異動や入退社によって条件が変わると、対象者に必要なアカウント作成、グループ追加、権限変更、アカウント削除などのタスクが生成されます。指定時刻にタスクを自動実行することもできるため、異動日や退職日に合わせた処理を事前に設定し、担当者による対応漏れを防げます。
棚卸し画面では、YESODに登録された従業員と接続先SaaSのアカウントを名寄せし、設定したルールと実際の付与状況に差がないかを確認できます。必要な権限が付与されていない状態だけでなく、異動前の権限や退職者アカウントが残っている状態も検出し、画面上から是正処理につなげられます。接続先として公開されているサービスに加え、汎用SCIMに対応するSaaSとも連携可能です。
近年は、SaaSへの属性同期やグループ管理、棚卸し情報を外部システムへ渡すAPIが拡充されています。2026年には、管理者がYESOD上から連携済みアカウントのパスワードをリセットする機能も追加されました。アカウント台帳を作るだけでなく、人事情報の変更から権限変更、棚卸し、是正までを一つのID管理プロセスとして運用したい企業に適しています。
LOCKED|ID管理を中心にSSO・デバイス管理まで段階的に拡張

LOCKEDは、ID管理を中心とした複数のセキュリティ製品を、単体または組み合わせて導入できるスイート型ソリューションです。人事・組織情報とSaaSアカウントを連携させ、従業員が業務上必要な権限を適切に保有している状態を維持することに強みがあります。
SaaSのアカウント管理を担う「LOCKED DAS」は、約90のSaaSコネクタを通じて、各サービスに登録されているユーザーやライセンス、権限情報を一つの台帳へ集約するIGA製品です。人事データの入社・異動・退職情報を起点に、アカウントの作成、所属グループや権限の変更、利用停止・削除を自動化できるため、担当者が個々のSaaSへログインして処理する負担を軽減できます。
アカウントを発行・削除するだけでなく、現在の所属や役職と、実際に付与されている権限との差異を確認できる点も特徴です。部署異動後も旧部署の権限が残っている従業員や、退職後も有効なアカウント、必要以上のライセンスを保有しているユーザーを抽出し、棚卸しと是正につなげられます。複雑な組織構造や厳格な内部統制を持つ企業に合わせて、権限ルールや連携処理を個別に設計できる点も、定型的なSaaS管理ツールとの違いです。
認証まで一元化したい場合は、SSOを提供する別製品「LOCKED MSO」を組み合わせます。複数のSaaSへ一度のログインでアクセスできるほか、多要素認証やアクセス制限も設定可能です。PCやスマートフォンの管理まで行う場合は、アプリ配布や端末設定、リモートワイプに対応する「LOCKED MDM」を追加できます。
SaaSの契約金額や利用頻度を分析したい企業よりも、入退社や異動に伴う権限変更を自動化し、アカウントの棚卸しや内部統制を強化したい企業に向いています。
SaaS管理とは
SaaS管理とは、企業が利用している様々なSaaS(Software as a Service)製品を一元的に把握・管理することを指します。具体的には、利用中のSaaSの契約状況、ライセンス数、利用状況、コスト、セキュリティリスクなどを可視化し、効率的に運用・管理する取り組みです。
近年、企業のDX推進に伴いSaaS製品の導入が急速に進み、多くの企業が20個以上のSaaSを利用しているといわれています。この状況下で、未使用ライセンスの放置による無駄なコスト発生や、退職者のアカウント放置によるセキュリティリスク、契約更新の見落としなど、様々な課題が発生しています。
SaaS管理を適切に行うことで、コストの最適化、セキュリティリスクの低減、業務効率の向上などを実現できます。そのため、多くの企業がSaaS管理ツールを導入し、効率的な運用を目指しています。
SaaS管理ツールとは
SaaS管理ツールとは、企業が利用している複数のSaaS製品を一元的に管理・運用するためのプラットフォームです。
主に以下のような機能があります。
- 利用中のSaaSの一覧表示
- ライセンス管理
- コスト分析
- 利用状況の可視化
- セキュリティリスク検知など
これらの機能により、未使用ライセンスの特定や重複契約の発見によるコスト最適化、退職者アカウントの迅速な無効化によるセキュリティ強化、契約更新の自動通知による管理工数の削減などが可能になります。
一部のSaaS管理ツールは、1回のログインで複数のサービスを利用できる「シングルサインオン(SSO)」に対応しています。SSOを利用すると、従業員がサービスごとにIDやパスワードを覚える必要がなくなり、管理者もログイン情報や利用権限をまとめて管理しやすくなります。
ただし、すべてのSaaS管理ツールにSSO機能が付いているわけではありません。別のサービスとの連携や追加契約が必要な場合もあるため、導入前に対応する機能や料金プランを確認しましょう。
これにより、パスワード管理の負担が軽減され、セキュリティも向上します。
SaaS管理ツールは、増加するSaaS利用に伴う様々な課題を解決し、効率的なIT資産管理を実現する重要なソリューションとなっています。
SaaS管理ツールの主な機能
企業は複数のSaaS製品を効率的に管理し、コスト最適化とセキュリティ強化を実現できます。
それぞれ以下のような機能があります。
契約管理機能
契約管理機能は、SaaS管理ツールの中核を成す重要な機能の一つです。この機能により、企業が利用している全てのSaaS製品の契約情報を一元的に管理することが可能になります。
具体的には、契約期間、更新日、利用条件、ライセンス数、契約金額などの情報を一覧で把握できます。これにより、契約更新の見落としや、不要なライセンスの継続を防ぐことができ、コスト最適化につながります。
また、多くのツールでは契約更新の自動通知機能も備えており、更新時期が近づくとアラートを送信します。これにより、適切なタイミングで契約内容の見直しや再交渉を行うことが可能になります。部門ごとの利用状況や契約責任者の情報なども管理できるため、組織全体のSaaS利用状況を効率的に把握し、戦略的な意思決定を支援します。
契約管理機能は、SaaS利用の透明性を高め、効率的な運用を実現する上で欠かせない機能といえるでしょう。
利用状況可視化機能
利用状況可視化機能は、企業内での各SaaS製品の実際の使用状況を詳細に把握できる機能です。
従業員ごとのログイン頻度、機能の使用率、アクセス時間帯などのデータを収集し、分かりやすいダッシュボードで表示します。この機能により、未使用や低利用のライセンスを特定することができ、ライセンス数の最適化やコスト削減の判断材料となります。
また、よく利用されている機能や時間帯を分析することで、業務効率化のヒントを得ることも可能です。部門やチームごとの利用状況も可視化できるため、SaaS活用度の偏りを把握し、必要に応じて従業員教育や運用改善を行うことができます。
このように、利用状況可視化機能は、単なる使用状況の把握だけでなく、投資対効果の測定や業務改善のための重要なインサイトを提供します。データに基づいた戦略的なSaaS運用を実現する上で、重要な役割を果たしています。
コスト可視化機能
コスト可視化機能は、企業が利用している全てのSaaS製品にかかる費用を総合的に分析・可視化する機能です。
月額費用、年間費用、部門別コスト、従業員一人あたりのコストなど、様々な角度からSaaS支出を把握することができます。この機能により、重複契約や未使用ライセンスによる無駄な支出を特定し、コスト削減の機会を見出すことが可能になります。また、予算管理や費用対効果の分析も容易になり、より戦略的なIT投資の意思決定を支援します。
さらに、多くのツールでは将来的なコスト予測機能も備えており、契約更新や利用拡大に伴う支出増加を事前に把握することができます。これにより、計画的な予算配分や、より有利な契約条件での交渉が可能になります。
コスト可視化機能は、増加傾向にあるSaaS支出を適切にコントロールし、効率的な予算運用を実現する上で重要な役割を果たしています。
セキュリティ管理
セキュリティ管理機能は、SaaS利用に伴うセキュリティリスクを包括的に管理・軽減する重要な機能です。主な機能として、アカウントの権限管理、アクセス制御、不正利用の検知などがあります。
特に重要なのが、従業員の入退社に伴うアカウント管理です。退職者のアカウントを迅速に無効化し、情報漏洩のリスクを防ぐことができます。また、シングルサインオン(SSO)機能により、パスワード管理の負担を軽減しながら、セキュリティレベルを向上させることも可能です。
各SaaSのセキュリティ設定状況を可視化し、脆弱性や設定ミスを検出する機能も備えています。怪しいログインや異常なアクセスパターンを検知し、管理者にアラートを送信する機能もあります。このように、セキュリティ管理機能は、増加するSaaS利用に伴うセキュリティリスクから企業を守る重要な役割を果たしています。
SaaS管理ツールの選び方|3つの比較ポイント
管理したいSaaSに対応しているか
SaaS管理ツールを選ぶ際の最も重要なポイントは、自社が利用している、あるいは今後利用予定のSaaS製品に対応しているかどうかです。各ツールによって対応しているSaaS製品は異なり、特に日本製のSaaSへの対応状況には大きな差があります。まずは、現在利用中の主要なSaaS製品がツールの対応リストに含まれているか確認しましょう。
特に、業務の中核を担うSaaSについては、詳細な利用状況の把握やセキュリティ管理が必要となるため、十分な連携機能が提供されているか確認が必要です。
また、将来的な導入を検討しているSaaS製品への対応状況も考慮に入れることが重要です。対応SaaS数が多いツールを選択することで、将来的なシステム構成の変更にも柔軟に対応することができます。
なお、多くのツールでは定期的に対応SaaSを拡充しているため、現在は対応していなくても、今後対応予定かどうかも確認するとよいでしょう。
管理画面が使いやすいか
SaaS管理ツールは日常的に使用するシステムであるため、管理画面の使いやすさは重要な選定ポイントとなります。直感的な操作性があり、必要な情報にすぐにアクセスできるインターフェースを持つツールを選びましょう。
特に注目すべき点は、ダッシュボードの見やすさです。契約状況、利用状況、コスト、セキュリティリスクなどの重要情報が一目で把握できるよう、適切に可視化されているかを確認します。
また、データの抽出やレポート作成が容易にできることも、業務効率化の観点から重要です。カスタマイズ性も考慮すべきポイントです。自社の業務フローや管理方針に合わせて、画面レイアウトや表示項目を調整できる機能があると便利です。
多くのツールでは無料トライアル期間が設けられているため、実際に操作感を確認してから導入を決定することをおすすめします。管理者だけでなく、実際に使用する担当者の意見も参考にするとよいでしょう。
セキュリティ対策は充実しているか
SaaS管理ツールは企業の重要な情報を扱うため、セキュリティ対策の充実度は選定の重要なポイントとなります。特に、アクセス権限の管理、データの暗号化、監査ログの取得など、基本的なセキュリティ機能が実装されているかを確認しましょう。
シングルサインオン(SSO)への対応も重要な要素です。SSOにより、パスワード管理の負担を軽減しながら、セキュリティレベルを向上させることができます。また、多要素認証(MFA)の対応状況も確認が必要です。
さらに、セキュリティインシデントの検知・通知機能も重要です。不正アクセスや異常な利用パターンを自動検知し、管理者にアラートを送信する機能があると、迅速な対応が可能になります。
ツール自体のセキュリティ認証(ISO27001やSOC2など)の取得状況も、信頼性を判断する上で重要な指標となります。グローバルスタンダードに準拠したセキュリティ対策を備えているツールを選択することをおすすめします。
SaaS管理ツールを導入するメリット
アカウント管理を効率化できる
SaaS管理ツールの導入により、複数のSaaS製品のアカウント管理を一元化し、大幅な効率化を実現できます。従来は各SaaSごとに個別管理が必要だった従業員のアカウント発行や権限設定を、一つの管理画面から統合的に行うことが可能になります。特に効果を発揮するのが、従業員の入退社時の対応です。
入社時には必要なSaaSのアカウントを一括で発行でき、退職時には全てのアカウントを迅速に無効化できます。これにより、アカウント管理の漏れによるセキュリティリスクを大幅に低減できます。
シングルサインオン(SSO)機能により、従業員は一つのIDとパスワードで全てのSaaSにアクセスできるようになります。これにより、パスワード管理の負担が軽減され、同時にセキュリティも向上します。部門やロールごとの権限管理も容易になり、適切なアクセスコントロールを実現できます。
SaaSにかかるコストを最適化できる
SaaS管理ツールを導入することで、企業のSaaS関連コストを大幅に最適化できます。まず、利用していないアカウントや重複契約の特定が容易になり、無駄な支出を削減できます。特に退職者の未削除アカウントや、使用頻度の低いライセンスの発見により、即座にコスト削減が可能です。
また、各SaaSの利用状況やコストを可視化することで、契約プランの見直しや、より費用対効果の高いサービスへの切り替えを検討することができます。さらに、契約更新時期を事前に把握できるため、計画的な予算管理や、より有利な条件での契約交渉が可能になります。
このように、SaaS管理ツールは単なる管理機能だけでなく、企業のIT投資を最適化し、コスト効率を高めるための重要なツールとして機能します。導入企業の多くが、大幅なコスト削減に成功しているという実績もあります。
セキュリティリスクを抑えられる
SaaS管理ツールの導入により、企業のセキュリティリスクを効果的に低減することができます。特に重要なのが、退職者のアカウント管理です。従来は見落としがちだった退職者の残存アカウントを一括で把握・無効化できるため、情報漏洩のリスクを大幅に削減できます。
また、各SaaSのセキュリティ設定状況を一元的に可視化し、設定漏れや脆弱性を迅速に発見することができます。不正アクセスや異常な利用パターンを検知する機能により、セキュリティインシデントの早期発見・対応も可能になります。
さらに、シングルサインオン(SSO)機能と多要素認証(MFA)の組み合わせにより、強固な認証基盤を構築できます。これにより、パスワード管理の負担を軽減しながら、高いセキュリティレベルを維持することができます。
このように、SaaS管理ツールは企業の包括的なセキュリティ対策を支援し、安全なSaaS利用環境の構築に貢献します。
SaaS管理ツールを導入するデメリット
ランニングコストがかかる
SaaS管理ツールを導入する際の主要なデメリットとして、継続的なランニングコストの発生が挙げられます。多くのツールは月額または年額での利用料金が発生し、管理するSaaS数やユーザー数に応じて費用が増加する傾向にあります。
特に、高度な機能を利用するためには上位プランへの加入が必要となることが多く、予想以上のコストが発生する可能性があります。また、一部のツールでは初期設定費用やカスタマイズ費用、サポート費用などの追加コストが必要となる場合もあります。
ただし、これらのコストは、ツール導入によって実現できるSaaSライセンスの最適化や業務効率化によって相殺できる可能性が高いと言えます。導入を検討する際は、想定されるコスト削減効果と比較しながら、投資対効果を慎重に検討することが重要です。
未対応のSaaSは自動連携できない場合がある
SaaS管理ツールによって、自動連携できるサービスの種類は異なります。自社で利用しているSaaSが対応していない場合、アカウント情報や利用状況を自動で取得できず、管理者が手作業で情報を登録・更新しなければならないことがあります。
ただし、未対応のSaaSを新たに導入できなくなるわけではありません。契約情報を手入力したり、CSVファイルを取り込んだりすることで、管理台帳に追加できる製品もあります。また、標準では対応していないSaaSでも、個別の連携設定によってアカウントの作成・削除などを自動化できる場合があります。
導入前には、現在利用している主要なSaaSがどこまで自動連携に対応しているかを確認しましょう。あわせて、未対応のサービスを手動で管理できるか、今後連携先が追加される予定があるかも確認しておくと、運用開始後の負担を抑えやすくなります。
SaaS管理ツールに関するよくある質問
- SaaS管理ツールのセキュリティ対策について知りたい
- 無料で使えるSaaS管理ツールはある?
- SaaS管理ツールの導入で失敗しないコツは?
- SaaS管理ツールのセキュリティ対策について知りたい
- SaaS管理ツールのセキュリティ対策は、主に以下の要素で構成されています。
まず、データの暗号化により、保存時や通信時の情報漏洩を防止します。多要素認証(MFA)やシングルサインオン(SSO)による強固な認証基盤により、不正アクセスを防ぎます。
重要な機能として、アクセス権限の管理があります。役割ベースのアクセス制御(RBAC)により、ユーザーごとに適切な権限を設定し、必要最小限のアクセス権限を付与することで、情報セキュリティを確保します。
定期的なセキュリティ評価やログ監視により、脆弱性の早期発見と対応が可能です。多くのツールでは、不正アクセスや異常な利用パターンを検知した場合、即座にアラートを発信する機能も備えています。重要なデータの定期的なバックアップと復旧手順の確認も、セキュリティ対策の重要な要素となっています。
- 無料で使えるSaaS管理ツールはある?
- 一部の製品では限定的な無料プランや無料トライアルを提供しています。例えば、マネーフォワード Adminaでは50IDまでは無料で利用可能です。
ただし、無料プランや無料トライアルでは、管理できるSaaS数の制限や、一部機能の利用制限があることが一般的です。
また、無料トライアルの期間は14日間や1カ月など製品によって異なり、期間を公開していない製品もあります。
導入を検討する際は、まず無料トライアルを活用して実際の使用感を確認し、自社のニーズに合っているかを見極めることをお勧めします。その上で、必要な機能や管理対象のSaaS数に応じて、適切なプランを選択することが重要です。
- SaaS管理ツールの導入で失敗しないコツは?
- SaaS管理ツールの導入を成功させるためには、以下のようなポイントに注意が必要です。まず、自社の課題と目的を明確にすることが重要です。コスト削減が主目的なのか、セキュリティ強化なのか、業務効率化なのかによって、最適なツールは異なってきます。
現在利用中のSaaSの棚卸しを行い、管理対象となるSaaSがツールの対応リストに含まれているか確認することが重要です。また、将来的な拡張性も考慮に入れ、新規導入予定のSaaSへの対応状況も確認しましょう。
さらに、無料トライアル期間を活用して、実際の使用感や運用負荷を確認することをお勧めします。この際、実際に使用する担当者の意見も取り入れることが重要です。また、導入後のサポート体制についても事前に確認し、スムーズな運用開始を図ることが成功のポイントとなります。











