会社にとって避けられない法人税の申告ですが、行政特有の複雑な制度によって申告に時間がかかっている企業も多いのではないでしょうか。
しかし、時間がかかるからといって、税理士に頼むと高額な報酬が必要になりますよね。
そんな時に役立つのが法人税申告ソフトです。
法人税申告ソフトではリーズナブルな金額で簡単に法人税を申告することが可能で、電子申請にも対応している優れものです。
そこで、この記事では法人税申告ソフトの基本からおすすめの法人税申告ソフトまでわかりやすく解説しています。
ぜひ参考にしてみてください。
- 法人税申告ソフトとは法人税を申告するためのソフト
- 法人税申告ソフトのタイプは法人税申告単独型と会計ソフトの2種類
- おすすめの法人税申告単独型の法人税申告ソフトは全力法人税など
- おすすめの会計ソフト型法人税申告ソフトは弥生会計など
- 法人税申告ソフトを選ぶポイントはクラウド型かオンプレミス型かパッケージ型かなど
目次
法人税申告ソフトおすすめ8選の比較一覧表
おすすめの法人税申告ソフトは主に8個あります。法人税申告ソフトを比較すると以下の表の通りです。
| 製品名 | 全力法人税 | 楽々法人税 | 税理士いらず | 申告freee | 法人税申告お助けくん | 法人税の達人 | 申告奉行11 | PCA法人税 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| タイプ | 単独タイプ | 単独タイプ | 単独タイプ | 単独タイプ | 単独タイプ | 単独タイプ | 単独タイプ | 単独タイプ |
| 法人税申告機能 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
| 電子申告機能 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
| 会計ソフトとの連携機能 | 会計ソフトなど | 弥生会計など | 弥生会計など | 会計freeeなど | ニコラ会計など | 会計ソフトなど | 会計ソフトなど | – |
| 料金 | 初年度：23,980円/年 2年目以降：11,000円/年 | 10,800円/年 | 初年度：16,500円/年 2年目以降：5,500円/年 (1ライセンスあたり) | 27,280円/年 | 8,500円/2年 | Professional Edition：55,900円 Standard Edition：37,100円 Light Edition：24,700円 ※ダウンロード版の場合 | スタンドアロン：32万円～ NETWORK Edition：48万円～ | クラウド型：14,800円～/月 サブスク型：79,200円～/年 パッケージ型：85,800円 |
【法人税申告単独型】法人税申告ソフトおすすめ8選
おすすめの法人税申告単独型法人税申告ソフトは主に以下の8つです。
それぞれの法人税申告ソフトについて詳しく見ていきましょう。
ジャパンネクス株式会社「全力法人税」 – 誰でも簡単に使える中小企業におすすめのソフト
出典：https://japanex.jp/HojinFinalReturns
「全力法人税」は、小規模企業向けに開発された法人税申告ソフトの中でも特に注目を集めています。
元国税調査官と税理士が完全監修しており、法人税の専門知識がない方でも簡単に申告書を作成できるのが最大の特徴です。
シンプルな操作性と自動計算機能により、煩雑な税務作業を大幅に効率化します。
電子申告（e-Tax/eLTAX）にも対応し、会計ソフトとのデータ連携も可能なため、中小企業の税務負担を軽減する優れたツールとして高い評価を得ています。
株式会社チェンジイット「楽々法人税」 – 弥生会計との連携が魅力のおすすめ法人税申告ソフト
出典：https://rakuraku-houjinzei.com/
「楽々法人税」は、中小企業の税務会計における負担を大幅に軽減するために開発された革新的な法人税申告ソフトです。特に資本金1億円以下で事業所が1箇所の企業に最適な選択肢となっています。
弥生会計との高度な連携機能により、ボタン1つで約40枚にも及ぶ申告書を一括作成できるため、専門的な税務知識がない経営者でも簡単に法人税申告が可能です。
Microsoft Visual Basic.Netで開発されており、膨大なデータ処理能力を持ち、税理士に依頼することなく自社で確実に申告書を作成・提出できる、コスト削減に貢献するソフトウェアです。
有限会社アイソフト「税理士いらず」 – 会計ソフト内蔵のおすすめ法人税申告ソフト
「税理士いらず」は、小規模法人向けの画期的な法人税申告ソフトです。会計ソフト機能と税務申告ソフト機能を一体化し、日常の取引仕訳から決算書、税務申告書類まで自動で作成できる点が優れています。
減価償却や未払法人税の計上などの複雑な決算仕訳を自動処理し、専門知識がなくても正確な申告書を作成可能です。
価格も16,500円（税込）と低コストで、インボイス制度にも対応しているため、税理士コストを削減したい小規模法人に最適なソリューションとなっています。
freee株式会社「申告freee」 – freee会計と連携することで書類作成・電子申告が簡単に
出典：https://www.freee.co.jp/tax-filing/
「申告freee」は、法人税申告における革新的なクラウドソリューションです。
「freee会計」と連携することで、決算データを自動的に取り込み、効率的な申告業務を実現します。項目マップ機能により、帳票間の数字連携が一目で分かり、複雑な申告作業を大幅に簡素化可能です。
e-Tax（国税）とeLTAX（地方税）とのシームレスな連携により、電子申告もスムーズに行えます。さらに、取引先・品目・部門タグベースでの詳細な連携が可能で、交際費や会議費などの自動集計も実現。経理の専門知識がない経営者でも直感的に使える設計となっており、申告にかかる時間と手間を大幅に削減できるソフトウェアです。
合同会社ニコラソフト「法人税申告お助けくん」 – ニコラ会計との連携で便利な法人税申告ソフト
出典：https://nicolasoft.net/product_info/product_hoshinhelper2/
「法人税申告お助けくん」は、小規模企業向けに特化した法人税申告ソフトです。
小規模企業の税務申告をスムーズに行えるよう設計されており、複雑な税務手続きを簡素化することに成功。特に、資本金1億円以下の企業で、事業所が3箇所までの法人に最適なソフトとして知られています。
データ入力は手入力だけでなく、「弥生会計」などからのデータ取り込みも可能で、柔軟な対応が可能です。
Windows用デスクトップアプリとして提供されており、消費税申告書にも対応しているため、幅広いニーズに応えられるソフトウェアとなっています。さらに、2年間で8,500円（年間4,250円）と、価格面でも非常にお手頃な選択肢です。
株式会社NTTデータ「法人税の達人」 – 法人税帳簿の98%を作成可能
出典：https://www.tatsuzin.info/products_hj/
「法人税の達人」は、NTTデータが提供する高機能な法人税申告ソフトで、さまざまな法人形態に柔軟に対応しています。普通法人、公益法人、協同組合、特定の医療法人、外国法人の申告に幅広く対応し、青色・白色の確定申告はもちろん、中間申告や修正申告にも対応可能です。
e-TaxやeLTAXで申告可能な法人税帳簿の98%を作成でき、最大9,999事業所まで登録可能なため、大規模な企業でも利用しやすいソフトとなっています。手書き感覚で入力できる直感的なUIと、会計ソフトとのデータ連携機能により、帳票作成の効率を大幅に向上させることができます。
Professional Edition、Standard Edition、Light Editionの3つのグレードから選択可能で、企業のニーズに合わせて最適なプランを選べるのも大きな特徴です。
株式会社オービックビジネスコンサルタント「申告奉行11[法人税・地方税編]」 – 早く正確に法人税・地方税を申告できる
出典：https://www.obc.co.jp/bugyo-p/shinkoku-hc
「申告奉行11[法人税・地方税編]」は、法人税申告業務を劇的に効率化するOBCの高性能ソフトウェアです。法人税別表65表と地方税30様式を網羅し、直感的な操作性と自動計算機能により、申告書作成の手間を大幅に削減します。
電子申告（e-TAX・eLTAX）にも対応し、申告から納税までをワンストップで処理可能。複数の経理担当者での分担入力や、セキュリティ機能も充実しており、中小企業から大企業まで幅広いニーズに応えるソリューションです。
累計66万社の導入実績を誇り、毎年の税制改正にも迅速に対応する信頼性の高いソフトウェアとして評価されています。
ピー・シー・エー株式会社「PCA法人税」 – 中小企業も幅広く対応する法人税申告ソフト
出典：https://pca.jp/area_product/prohoujin_function.html
PCA法人税は、多様な企業ニーズに柔軟に対応できる法人税申告ソフトです。クラウド、サブスクリプション、パッケージなど、企業の規模や予算に合わせて選択可能なプランが最大の特徴です。
小規模から中規模の法人まで幅広く対応しており、ユーザーの会計スタイルに合わせて柔軟なカスタマイズが可能です。システムは直感的な操作性を重視しており、税務申告の複雑な作業を効率的にサポートします。
電子申告機能や会計システムとの連携も充実しているため、煩雑な法人税申告作業を大幅に簡素化できます。企業の規模や業種に応じて最適なプランを選択できる点が、PCA法人税の大きな魅力となっています。
そもそも法人税申告ソフトとは
法人税申告ソフトは、企業が法人税の申告を効率的かつ正確に行うために開発されたデジタルツールです。
従来、法人税申告は複雑で時間のかかる作業であり、多くの企業が税理士に高額な報酬を支払うか、膨大な手間をかけて申告書を作成していました。
一方で法人税申告ソフトなら、会計データを簡単に取り込み、法人税や地方税を自動計算し、必要な申告書類を自動的に作成することができます。専門的な税務知識がなくても、基本的なデータ入力だけで、正確な申告書を作成できるため、中小企業にとって非常に有用なツールとなっています。
法人税申告ソフトの2つのタイプ
法人税申告ソフトは数多く存在しますが、法人税申告ソフトのタイプは主に以下の2つです。
それぞれのタイプについて詳しく見ていきましょう。
法人税申告単独型
法人税申告単独型は、法人税申告に特化したソフトウェアです。主に小規模から中規模の企業向けに開発されており、専門的な税務知識がなくても簡単に申告書を作成できる特徴があります。
代表的なソフトには、本記事でも紹介した「全力法人税」「法人税の達人」「申告奉行」などがあり、電子申告機能や会計ソフトとの連携機能を備えています。
会計ソフト
会計ソフトは、日常の会計業務から法人税申告まで一貫して行えるソフトウェアです。「freee会計」がとくに人気で、会計処理と法人税申告を同一プラットフォームで効率的に行えます。
データ連携が容易で、入力作業の重複を避けられるメリットがあります。
法人税申告ソフトを選ぶ8つのポイント
法人税申告ソフトを選ぶポイントは主に以下の8つです。
それぞれのポイントについて詳しく見ていきましょう。
クラウド型かオンプレミス型かパッケージ型か
法人税申告ソフトは導入形態によって大きく3つに分類されます。クラウド型は「全力法人税」や「申告freee」のように、インターネット経由でサービスを利用する形態です。場所を選ばず利用でき、自動アップデートで常に最新の状態を保てます。
オンプレミス型は自社でサーバーを用意して運用する形態で、セキュリティを重視する企業に適しています。
パッケージ型は「PCA法人税」のように、ソフトウェアを購入してインストールして使用する従来型の形態です。初期費用は比較的高額ですが、長期利用を考えると費用対効果が高くなる可能性があります。
企業の規模
企業規模によって必要な機能や対応が異なります。小規模企業向けには「法人税申告お助けくん」のように、資本金1億円以下で事業所が3箇所までの企業に特化した、シンプルで使いやすいソフトが適しています。
一方、中規模以上の企業には「法人税の達人」のように9999事業所まで登録可能で、より高度な機能を備えたソフトが推奨されます。特に複数の事業所を持つ企業の場合、データの一元管理や連結納税への対応が重要なポイントとなります。
使いやすさ
法人税申告ソフトを選ぶ上で最も重要なポイントの一つは、使いやすさです。税務や会計の専門知識がない人でも簡単に操作できるインターフェースが求められます。
例えば、「全力法人税」や「PCAクラウド 法人税」は、手書きするような感覚で申告書を作成できるため、パソコン操作に不慣れな人でも抵抗なく利用できます。
ソフトの使いやすさを判断するポイントとしては、以下のような要素があります。
- 直感的な操作画面
- 自動計算機能
- 会計ソフトとの連携のしやすさ
- サポート体制の充実
初心者でも理解しやすく、操作がシンプルなソフトを選ぶことで、法人税申告の作業を大幅に効率化できるでしょう
法人税申告ソフトを選ぶ上で、セキュリティ性能は極めて重要なポイントです。企業の決算情報は極めて機密性の高い情報であり、情報漏洩は企業の信用に致命的な影響を与える可能性があります。
信頼できる法人税申告ソフトは、強固な暗号化技術と多層的なセキュリティ対策を講じています。具体的には、データの暗号化、アクセス制御、二段階認証、定期的なセキュリティアップデートなどが重要な要素となります。
例えば、TKCの「ASP1000R」は強固なセキュリティ体制を備えたデータセンターでシステム運用しており、サーバの設備投資や災害対策のリスクを大幅に軽減しています。
企業は法人税申告ソフトを選ぶ際、セキュリティ機能を慎重に確認し、自社の情報資産を確実に保護できるソリューションを選択することが求められます。
法人税に関する税制は毎年のように変更があり、最新の税制改正に対応していないソフトを使用すると、正確な法人税申告ができなくなるリスクがあります。そのため、税制改正に迅速かつ柔軟に対応できる法人税申告ソフトを選ぶことが非常に重要です。
信頼できる法人税申告ソフトは、税法の変更点を即座に反映し、ユーザーが最新の税務要件を満たせるよう、ソフトウェアを適時更新します。
例えば、令和6年度税制改正における賃上げ促進税制や外形標準課税の変更点などを、迅速にシステムに組み込める能力が求められます。税制改正への対応力は、申告の正確性と効率性を左右する重要な選択基準となるのです。
充実したサポートがあるか
法人税申告ソフトを選ぶ際、サポート体制の充実度は非常に重要なポイントです。導入直後は不安や疑問が多いため、迅速かつ丁寧なサポートが得られるソフトを選ぶことが大切です。
優れたサポート体制があれば、わからないことがあってもすぐに質問でき、業務の停滞を防ぐことができます。例えば、電話サポート、チャットサポート、オンラインマニュアルなど、多様な問い合わせ手段が用意されているソフトが理想的です。
また、サポートの質も重要です。税務に精通した専門スタッフが対応してくれるか、返信スピードはどうかなどを事前に確認しておくと安心です。ソフトの選択時には、これらのサポート体制を十分に検討しましょう。
電子申告に対応しているか
電子申告対応は、法人税申告ソフトを選ぶ上で最も重要なポイントの1つです。e-Tax（国税電子申告）やeLTAX（地方税電子申告）への対応は、申告作業の効率化と利便性を大きく向上させます。
優れた法人税申告ソフトは、電子署名の付与から申告データの送信、受付結果の確認まで、システム上で完結できる機能を備えています。例えば、「全力法人税」や「法人税の達人」は、電子申告に対応し、98%の法人税帳簿を作成可能です。
また、「freee申告」のようにCSV形式でのインポートなしにシームレスに送信できるソフトもあり、煩雑な電子申告作業を大幅に簡素化できます。電子申告対応は、時間とコストの削減につながる重要な機能と言えるでしょう。
無料での体験が可能か
法人税申告ソフトを選ぶ際の重要なポイントの1つは、無料トライアルの有無です。無料での体験版やトライアル期間があることで、実際のソフトの使い勝手を事前に確認できます。
多くの法人税申告ソフトは30日間の無料トライアルや機能制限付きの無料版を提供しており、ユーザーは本格導入前に以下のポイントを確認できます。具体的には、インターフェースの操作性、データ入力のしやすさ、会計ソフトとの連携機能、電子申告の手順などを実際に試すことができます。
また、無料体験を通じて、自社の業務フローに合っているかを判断できるため、無駄な出費を避けながら最適なソフトを選択することが可能となります。
法人税申告ソフトを導入する3つのメリット
法人税申告ソフトを導入するメリット主に以下の3つです。
それぞれのメリットについて詳しく見ていきましょう。
書類作成・申告の手間を大幅に削減できる
法人税申告ソフトには自動連動機能が標準で搭載されており、最小限の入力で関連する項目が自動的に入力されます。これにより、従来の手作業による申告書作成と比べて、作業時間を大幅に短縮することができます。
特に、複雑な税務計算や申告書類の作成において、ソフトが自動で計算を行い、必要な書類を生成してくれるため、人為的なミスも防ぐことができます。
また、多くのソフトは最新の税制改正にも対応しているため、常に正確な申告書類を作成することが可能です。
メシステム上で電子申告が可能になる
法人税申告ソフトを導入することで、e-Taxなどの電子申告システムを通じて、オンラインで直接申告を行うことができます。これにより、従来の紙ベースでの申告と比べて、書類の印刷や保管、提出にかかる手間と時間を大幅に削減可能です。
また、電子申告に対応することで、ペーパーレス化を実現し、書類の保管スペースの削減やコスト削減にもつながります。さらに、申告データがデジタルで保存されるため、過去の申告内容の確認や修正も容易に行えます。
データ入力が簡単
法人税申告ソフトは、経験が浅い担当者でも簡単に操作できるよう、直感的な入力画面が用意されています。多くのソフトでは、弥生会計やfreee、マネーフォワードなどの主要な会計ソフトとのデータ連携に対応しており、会計データを自動で取り込むことができます。
これにより、データの手動入力や転記作業が不要となり、入力ミスのリスクを大幅に低減できます。また、入力項目に関するガイダンスや、エラーチェック機能なども搭載されているため、正確なデータ入力をサポートしてくれます。
法人税申告ソフトを導入する3つのデメリット
法人税申告ソフトを導入するデメリットは主に以下の3つです。
それぞれのデメリットについて詳しく見ていきましょう。
特殊な業種では導入しにくい
法人税申告ソフトは、一般的な業種向けに開発されているため、特殊な業務形態や複雑な会計処理を持つ企業には適していない場合があります。例えば、独自の会計基準や特殊な取引形態を持つ業界では、汎用的な法人税申告ソフトでは十分に対応できないことがあるでしょう。
特に、以下のような業種では導入に注意が必要です。
- 特殊な会計処理が必要な業種
- 複雑な取引形態を持つ企業
- 独自の業務フローを持つ組織
これらの企業では、法人税申告ソフトの標準機能では対応しきれない可能性があり、カスタマイズや追加のサポートが必要となる場合があります。そのため、導入前に自社の業務内容を十分に検討し、ソフトウェアとの互換性を慎重に確認することが重要です。
お金がかかる
法人税申告ソフトの導入には、決して安くない費用がかかります。クラウド型の場合、月額数千円から数万円の利用料が継続的に発生し、長期的に見ると大きな支出となります。
また、インストール型のソフトでは、初回購入時に数万円から十万円を超える金額が必要になることもあります。
小規模企業や個人事業主にとって、これらの費用は大きな経済的負担となる可能性があります。ソフトの選択には、自社の予算や実際の利用頻度を慎重に検討することが重要です。
ITサービスを使い慣れている必要がある
法人税申告ソフトは業務効率化に大きく貢献する一方で、ITリテラシーが必要となる点が大きな課題となっています。特に、従来は手書きや税理士に依頼していた企業が初めてソフトを導入する場合、操作方法の習得に一定の時間を要します。
会計ソフトと連携させる場合は、両方のシステムの基本的な操作を理解する必要があり、ITに不慣れな従業員にとっては逆に非効率になってしまう可能性があります。また、クラウド型のソフトを選択した場合は、インターネット環境が必須となり、通信障害時には作業が完全にストップしてしまうリスクもあるでしょう。
ただし、多くの法人税申告ソフトは画面の指示に従って入力するだけで完了するよう工夫されており、従業員が操作に慣れてくれば作業効率は徐々に向上していきます。導入時には十分な研修期間を設け、段階的に移行することで、このデメリットを最小限に抑えることが可能です。
法人税申告ソフトによくある質問
法人税申告申告ソフトにありがちな質問とその答えをまとめました。
無料・フリーの法人税申告書ソフトはある？
法人税申告ソフトは基本的に有料製品が主流となっていますが、一部のソフトでは機能制限付きの無料版を提供しています。例えば、フリーウェイ経理Liteでは会計処理の基本機能を無料で利用できます。また、多くのソフトウェアでは無料トライアル期間を設けており、本格導入前に機能や使い勝手を確認することが可能です。
ただし、無料版では電子申告機能や高度な自動計算機能が制限されている場合が多く、本格的な法人税申告には有料版へのアップグレードが推奨されます。特に小規模企業向けには、「法人税申告お助けくん」が2年間で8,500円（年額4,250円）と比較的リーズナブルな選択肢となっています。
法人税申告は企業の重要な業務であり、ミスのない正確な申告を行うためにも、自社の規模や必要な機能に応じて適切なソフトを選択することが重要です。初期費用を抑えたい場合は、クラウド型のサービスを検討するのも一つの方法でしょう。
法人税申告ソフトはクラウド型がおすすめ？
法人税申告ソフトは、近年クラウド型が特におすすめです。クラウド型の法人税申告ソフトには、従来のインストール型にはない多くのメリットがあります。
まず、インターネット環境があればいつでもどこでもアクセスできるため、オフィスや自宅、出張先など場所を問わず利用可能です。また、インストールやバージョンアップの作業が不要で、法令改正への対応も自動で行われるため、常に最新の状態で利用できます。
さらに、WindowsだけでなくMacでも利用できる点も大きな利点です4。税理士とのデータ共有もスムーズで、連携の手間が大幅に削減されます。
ただし、インターネット環境が必須である点や、インストール型と比べて処理速度が遅くなる場合がある点はデメリットとして挙げられます。また、月額制の料金体系が多いため、長期的に利用する場合はコスト面での検討も必要です。
法人税申告書作成ソフト、法人向け確定申告ソフトならどれがおすすめ？
法人税申告ソフトは、企業規模や利用目的によって最適な選択肢が異なります。小規模企業向けには「全力法人税」がおすすめです。元国税調査官と税理士が監修しており、シンプルな操作で誰でも使いこなせる特徴があります。
弥生会計を利用している企業には「楽々法人税」が適しています。ボタン1つで約40枚の申告書が作成でき、データ連携による効率的な申告が可能です。
より高度な機能が必要な中堅・大規模企業には「法人税の達人」がおすすめです。e-TaxやeLTAXで申告可能な法人税帳簿の98%を作成でき、9999事業所まで登録可能な拡張性を備えています。
また、会計ソフトとの連携を重視する場合は、「申告freee」や「マネーフォワード クラウド」といったクラウド型のソフトも選択肢として検討できます。いずれも自動連携機能により、申告作業の効率化が図れます。
法人税申告書のエクセルは国税庁で手に入る？
法人税申告書のエクセルファイルは、国税庁の公式サイトから入手できます。
国税庁のWebサイトにアクセスし、（https://www.nta.go.jp/）にログインすれば、エクセルファイルをダウンロード可能です。
法人税申告書作成までまとめて行える会計ソフトはある？
法人税申告書作成までまとめて行える会計ソフトは多くありません。
「税理士いらず」や「freeeシリーズ」などであれば、日々の会計業務から法人税申告書作成まで一気通貫で行えます。
おすすめの法人税申告ソフトのまとめ
法人税申告ソフトは、企業の税務申告作業を効率化し、正確性を高める重要なツールです。2025年現在、多くの選択肢が存在しますが、主なおすすめソフトとしては「全力法人税」「楽々法人税」「法人税申告お助けくん」「税理士いらず」「申告freee」「マネーフォワード クラウド」「弥生会計」「PCA法人税」などが挙げられます。
これらのソフトは、クラウド型やデスクトップアプリ型など、様々な形態で提供されており、企業規模や業種に応じて最適なものを選択できます。多くのソフトが電子申告に対応し、会計ソフトとのデータ連携機能を備えているため、申告作業の大幅な効率化が可能です。
選択の際は、使いやすさ、サポート体制、価格、機能の充実度などを総合的に検討することが重要です。また、無料トライアル期間を設けているソフトも多いので、実際に使用してみて自社に合うかどうかを確認することをおすすめします。
