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不正打刻を防ぐ6つの方法|発覚したときの企業の対応まで解説

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不正打刻は、放置すると給与の不正受給や労務管理の崩壊につながる深刻な問題です。

「どこまでが不正にあたるのか」「発覚した場合にどう対応すればいいのか」と悩む人事・労務担当者の方も多いのではないでしょうか。

本記事では、不正打刻の定義や違法性・具体的な事例・打刻ミスとの違い・発覚時の企業対応・不正を未然に防ぐ6つの防止策について詳しく解説します。

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不正打刻とは?

不正打刻とは、実際の出退勤時間と異なる時刻を意図的に記録する行為のことです。

不正打刻を見逃すと正確な労働時間管理ができず、給与計算の信頼性を損ない、組織全体の労務管理に悪影響を及ぼす可能性があります。

なぜなら、「少しくらいなら問題ない」という軽い気持ちで行われた不正でも、積み重なれば組織全体の秩序を揺るがす事態に発展するからです。

不正打刻がバレた場合は、懲戒処分や法的措置に発展するケースもあります。

そのため、人事・労務担当者は不正打刻の実態をしっかりと把握しておくことが大切です。

ここでは、不正打刻の違法性・具体的な事例・打刻ミスとの違いについて詳しく見ていきましょう。

計画的な不正打刻は違法とみなされることがある

計画的な不正打刻は、社内ルール違反にとどまらず、刑事事件に発展する可能性があります。

実際に働いていない時間の給与を受け取る行為は、詐欺罪や業務上横領罪に該当するとみなされるケースがあるからです。

刑法では、以下のように定められています。

詐欺:「第二百四十六条 人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の拘禁刑に処する。」業務上横領:「第二百五十三条 業務上自己の占有する他人の物を横領した者は、十年以下の拘禁刑に処する。」

引用:e-Gov 法令検索「刑法(明治四十年法律第四十五号)」

このように、詐欺罪・業務上横領罪はいずれも法定刑が10年以下の拘禁刑と定められており、決して軽い罪とはいえません。

「バレなければ大丈夫」と考えている従業員もいるかもしれませんが、不正打刻は想像以上に発覚しやすい行為です。

たとえば、勤怠管理システムのログや監視カメラの映像、ICカードの入退室記録など、客観的な証拠から不正が明らかになるケースは少なくありません。

一度発覚すれば、懲戒処分にとどまらず、刑事告訴や逮捕に至る可能性もあります。

さらに、不正打刻が組織内で黙認される状況が続くと、真面目に働いている従業員のモチベーション低下や、職場全体の信頼関係の崩壊につながります。

不正打刻は「個人の問題」ではなく、組織全体の課題として捉えることが重要です。

「不正打刻は軽い問題ではない」という認識を組織全体に浸透させることが、適切な防止策を講じる上での大切な視点となります。

勤怠で不正打刻となる事例

不正打刻は、あらゆる規模の企業で実際に発生している問題です。

手口が単純で「バレにくい」と思われやすく、軽い気持ちで行われるケースが多いためです。

残業代の水増しは、実際の裁判でも問題となっています。

実際の出退勤時刻と異なる時刻を29回にわたり不正入力し、早出・残業手当を過剰に受給した行為は、労働時間を正しく入力するという社員としての義務に違反し、会社と社員との間の信頼関係を破綻させる重大な規律違反である

引用:労働経済新聞「富士ゼロックス事件(東京地判平23・3・30) 勤怠の虚偽申告で退職したが錯誤による無効を主張 懲戒解雇されると誤信した」

このように、残業代の水増しはルール違反にとどまらず、信頼関係の破綻につながる重大な問題といえます。

代理打刻は、「少しくらいなら大丈夫」という軽い気持ちで行われることが多い手口です。

他人が打刻しても打刻時点では発覚しにくく、罪悪感を持ちにくいからです。

宮古毎日新聞によると、宮古島市教育委員会の男性職員2人が出退勤時刻を代理打刻し、懲戒分限委員会に処分が諮問されたと報じられています。

代理打刻に関して副市長は、以下のように述べています。

パソコンで出退勤時刻を代理打刻するという不正な事実が確認された。職務規定違反であることから、懲戒分限委員会で審査し、厳しく対処する

引用:宮古毎日新聞「出退勤を代理打刻/市教委の男性職員2人」

上記事例のように、代理打刻が組織の信頼を損なう重大な違反行為と判断されたことが分かります。

また、管理職による改ざんでは、大手企業の事件が広く知られています。

厚生労働省は、法人としての同社と複数支社の幹部を労働基準法違反の疑いで書類送検した。全社的に違法残業が常態化していた疑いが明らかになった

引用:日本経済新聞「違法残業疑い 電通を書類送検 厚労省」

このように、管理職が主導する改ざんは組織的な不正とみなされ、企業・個人ともに重い法的責任を問われる可能性があります。

いずれの手口も、バレた際には罪に問われたり刑事告訴に発展したりする可能性があることを覚えておきましょう。

勤怠の打刻ミスは不正打刻に該当しない

打刻ミスは不正打刻とは異なり、懲戒処分の対象にはなりません。

両者の違いは「意図的かどうか」という点にあり、打刻ミスは操作誤りやうっかりによる偶発的なものだからです。

「ミスなのか、不正なのか」は、記録のパターンやヒアリング結果を確認することで、判別が可能です。

以下の表で、両者の違いと判別ポイントを整理しました。

項目不正打刻打刻ミス
頻度同じ曜日や時間帯に繰り返し発生散発的・不規則に発生
意図意図的に誤った時刻を記録しているうっかりや操作誤りによる偶発的なもの
修正申請自ら申告しないことが多い気づいた時点で自主的に申請するケースが多い
懲戒対象対象になる可能性が高い原則として対象にならない
判別のポイント・記録に一定のパターンがある・ヒアリングで説明が不自然・ランダムな発生・本人が率直に説明できる

表からもわかるとおり、不正打刻は同じパターンが繰り返される傾向があるのに対し、打刻ミスはランダムに発生するケースがほとんどです。

そのため、記録のパターンを確認することが、判別における最初の手がかりになります。

打刻ミスが疑われる場合でも、憶測だけで不正と断定することは避けなければいけません。

まずは本人へのヒアリングを行い、事実を確認した上で判断することが、適切な対応です。

不正打刻が発覚したときの企業の対応

不正打刻が発覚した場合、企業は証拠と事実にもとづいて冷静に対応する必要があります。

初動を誤ると後の懲戒処分や法的措置の手続きに影響が出るリスクがあるからです。

対応の流れは、事実確認と従業員へのヒアリングを行い、状況に応じて給与の返還請求・懲戒処分・懲戒解雇・法的措置へと段階的に進めます。

感情的にならず、証拠と事実をもとに冷静に対処すると、企業としての信頼を守ることにもつながります。

ここでは、不正打刻が発覚したときの企業の対応について詳しくみていきましょう。

払い過ぎた給与の返還請求を行う

不正打刻による過払い給与は、企業側から返還を求めることができます。

民法703条・704条に定められた不当利得返還請求権に基づき、法的に回収できる可能性があるからです。

(不当利得の返還義務)
第七百三条 法律上の原因なく他人の財産又は労務によって利益を受け、そのために他人に損失を及ぼした者(以下この章において「受益者」という。)は、その利益の存する限度において、これを返還する義務を負う。
(悪意の受益者の返還義務等)
第七百四条 悪意の受益者は、その受けた利益に利息を付して返還しなければならない。この場合において、なお損害があるときは、その賠償の責任を負う。

引用:e-GOV法令検索「民法(明治二十九年法律第八十九号)」

不当利得返還請求権とは、法律上の正当な理由なく利益を得た者に対して返還を求められる権利のことです。

不正打刻による過払い給与は、従業員が正当な労働の対価なく受け取った金銭にあたるため、返還請求の対象となると考えられています。

返還請求を行う際は、過払いが発生した期間と金額を明確に算出した上で、本人に書面で請求するのが一般的です。

口頭だけでのやり取りは後のトラブルになりやすいため、証拠として残る形で進めることをおすすめします。

また、給与からの一方的な天引きは労働基準法24条の賃金全額払いの原則に抵触する可能性があります。

賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。

引用:e-GOV法令検索「労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)」

そのため、従業員の同意を得た上で手続きを進めることが重要です。

返還請求をためらわずに行うことは、再発防止の抑止力としても機能します。

放置すると職場全体のモラル低下を招くため、返還に応じない場合は損害賠償請求訴訟なども視野に入れて対応しましょう。

懲戒処分で対応する

不正打刻が発覚した場合は、就業規則にもとづき懲戒処分を行うことができます。

処分の重さは、不正の悪質度・継続期間・過払い金額・本人の反省の有無などを総合的に考慮した上で決定することが重要です。

なぜなら、不正の程度と処分の重さが釣り合っていない場合、処分の有効性が後から争われるリスクがあるからです。

主な懲戒処分の種類は、以下を参考にしてください。

処分の種類内容
戒告・譴責
(けんせき)
口頭または書面で厳重注意を行い、始末書の提出を求める最も軽い処分
減給給与の一部を差し引く処分。労働基準法91条により、1回の額が平均賃金の半日分以内、総額が月給の10分の1以内と上限が定められている
出勤停止一定期間の出勤を禁じ、その期間中の給与を支給しない処分
降格役職や職位を引き下げる処分。役職手当の減少にもつながる

初めての軽微なケースに対していきなり重い処分を下すと、処分の有効性が後から争われる可能性があります。

そのため、不正の程度に見合った処分を段階的に検討することが求められます。

処分を行う前に、就業規則へ懲戒事由として明記されているかどうかの確認も重要です。

規定のない処分は無効となるリスクがあるため、毅然と公正な姿勢で対応することが健全な労務管理につながるでしょう。

懲戒解雇を与える

不正打刻が悪質・継続的な場合は、懲戒解雇を検討することができます。

一定の条件を満たした場合は、法的に有効な懲戒解雇が認められるケースがあるからです。

懲戒解雇が有効と判断されやすい条件として、以下の4点が挙げられます。

懲戒解雇が有効な条件
  1. 就業規則に懲戒解雇事由として不正打刻が明記されていること
  2. 不正が長期間・高額にわたるなど、悪質性が客観的に認められること
  3. 本人への事実確認やヒアリングを適切な手順で行っていること
  4. 不正を裏付ける勤怠ログや監視カメラ映像などの客観的証拠が確保されていること

上記の条件を満たした上で懲戒解雇を行うと、処分の有効性を高められます。

軽微な1回の不正に対して即座に懲戒解雇を行うことはおすすめできません。

処分の重さが不正行為の程度と均衡していない場合、裁判で解雇権の濫用と判断されるリスクがあるためです。

過去の裁判例でも、処分の妥当性は厳しく審査される傾向にあります。

また、対象者に弁明の機会を与えずに処分を下すと、手続き上の瑕疵(かし)を理由に無効となる可能性もあります。

そのため、懲戒解雇を行う際は、証拠の確保と適正な手続きを徹底することが重要です。

不正打刻が悪質なケースでは、中小企業でも法的措置を取れます。

不正の内容や金額によっては、中小企業でも逮捕・起訴に発展した事例が存在するからです。

法的措置には以下の2種類があります。

  1. 刑事告訴
  2. 民事訴訟

刑事告訴とは、不正打刻による給与の詐取が詐欺罪や業務上横領罪に該当するとして、警察・検察に申告する手続きのことです。

民事訴訟は不正受給した給与相当額の損害賠償を求めて裁判所に提訴する手続きで、返還請求に応じない従業員への有効な対応手段となります。

法的措置を取る際は、時間・費用・証拠収集の手間がかかるため、被害の規模や悪質性を慎重に見極めることが重要です。

刑事告訴を行うには客観的な証拠が必要なため、勤怠システムのログや入退室記録などを事前に保全しておくことが求められます。

不正を見逃し続けると職場の秩序が乱れるリスクがあるため、状況に応じて毅然とした姿勢で対応することが組織全体の不正防止につながるでしょう。

事実確認と従業員へのヒアリングする

不正打刻が疑われる場合、証拠をもとに事実確認を行い、本人へのヒアリングを適切な手順で進めましょう。

手順を誤ると後の懲戒処分の有効性が争われるリスクがあるからです。

以下の手順で進めることで、適切な対応が可能になります。

勤怠データ・ログなどの証拠を収集する
関係者(上司・同僚)へのヒアリングを行う
本人へのヒアリングを実施する
事実確認の結果を記録・保管する

感情的に問い詰めたり、憶測だけで処分を進めたりすることは避けなければいけません。

一連の手順を踏まずに処分を下した場合、手続きの瑕疵(かし)を理由に処分が無効と判断される可能性があります。

事実確認は処分の前提となる重要なプロセスと捉え、慎重に進めましょう。

勤怠での不正打刻を徹底的に防止する6つの方法

不正打刻のリスクを大幅に減らすためには、発覚後の対応だけでなく、事前の防止策を講じることが重要です。

不正打刻は一度発生すると給与の過払いや職場の秩序崩壊につながるからです。

管理方法・制度・システムの3つの観点から対策を整えると、リスクを大幅に減らすことが期待できます。

ここでは、勤怠での不正打刻を徹底的に防止する6つの方法について詳しく解説します。

  1. タイムカードの管理方法を見直す
  2. 企業の制度や体制を見直す
  3. 勤怠ルールについて従業員に注意喚起を行う
  4. 不正防止機能が搭載されている勤怠管理システムを導入する
  5. ログや承認機能があるとカラ残業や不正修正まで防ぎやすい
  6. 会社で明確な打刻ルールを定める

タイムカードの管理方法を見直す

タイムカードの管理方法を見直すことは、不正打刻防止の土台となる取り組みです。

タイムカードと従業員シートが近い環境では代理打刻が容易な上、アナログ管理では不正の証拠を確認しにくいからです。

「今の管理方法で十分」と感じている企業ほど、不正が長期間見過ごされやすい傾向があります。

まず取り組みたいのが、タイムカードの保管場所とアクセス権限の見直しです。

タイムカードは従業員が自由に触れられる場所に置かず、担当者が管理する専用の場所に保管することが望ましいでしょう。

また、打刻場所への監視カメラの設置も有効で、誰がいつ打刻したかを記録に残すことで不正の抑止力としても機能します。

さらに、デジタルでの勤怠管理に移行することで、打刻履歴がログとして自動で残るため、不正の発見や証拠確保がしやすくなります。

保管場所・アクセス権限・管理方法の見直しを一体的に進めることが、不正打刻の防止につながるでしょう。

企業の制度や体制を見直す

企業の制度や体制を見直すことは、不正打刻を未然に防ぐ上で重要な対策です。

成果主義の文化や残業を申告しにくい職場環境が、サービス残業や実態と異なる打刻を生みやすいからです。

「うちは問題ない」と思い込んでいる企業でも、従業員が労働時間について意見しにくい環境が不正の温床になっている可能性があります。

見直すべき制度・体制のポイントは、以下のとおりです。

見直すべき制度や体制
  • 残業申告をしやすい環境・フローを整備する
  • 成果主義による暗黙のサービス残業を助長しない仕組みをつくる
  • 従業員が労働時間について意見・相談できる窓口を設ける
  • 管理職に対して残業管理・労務コンプライアンスの教育を実施する

制度や体制の見直しは、不正打刻の防止だけでなく、従業員が働きやすい環境づくりにもつながります。

企業全体で健全な労務管理の意識を高めることが、不正打刻を生まない組織文化の形成につながるでしょう。

勤怠ルールについて従業員に注意喚起を行う

勤怠ルールについて従業員に定期的な注意喚起を行うことは、不正打刻の防止と適切な処分の実施に欠かせない取り組みです。

就業ルールの周知が不十分であったことを理由に、懲戒解雇が無効と判断された裁判例が実際に存在するからです。

定期的な注意喚起の方法は、以下3つを活用してください。

注意喚起の方法
  1. 全体朝礼やミーティングでの口頭周知
  2. 社内メールやイントラネットを活用した情報共有
  3. 労務コンプライアンス研修の定期開催

特に、不正打刻が発覚した事例を社内で共有することは、「発覚する可能性がある」という抑止力として機能します

また、注意喚起を行った記録を残しておくことも重要です。

周知の日時・内容・対象者を書面で管理しておくと、万が一トラブルが発生した際に、企業側が適切な対応を取っていたことを客観的に証明できます。

不正打刻への処分を有効に行うためには、日頃からの地道な周知活動の積み重ねが土台となります。

定期的な注意喚起の継続が、不正打刻を生まない職場環境の整備につながるでしょう。

不正防止機能が搭載されている勤怠管理システムを導入する

不正打刻を根本から防ぐためには、不正防止機能が搭載された勤怠管理システムの導入が有効です。

紙やExcelによるアナログな勤怠管理は手書きの修正や数値の書き換えが容易なため、不正打刻の温床になりやすいからです。

近年はクラウド型の勤怠管理システムが普及し、比較的低コストで導入できる選択肢も増えています。

以下の表で、働き方別の不正防止機能を整理しました。

働き方不正防止機能効果
店舗・オフィス勤務指静脈・顔認証などの生体認証代理打刻を物理的に防止できる
リモートワークGPS・位置情報取得機能打刻時の所在地を記録し、虚偽申告を防止できる
共通打刻ログの自動記録・変更履歴の保存不正修正の検知と証拠保全が可能になる

近年ではテレワークによる勤怠管理も、従業員の自己申告になってしまい実働を把握しにくいといった課題があります。

勤怠管理システム導入時には自社の働き方や課題に合った機能を選定し、従業員への操作説明も行うことが求められます。

システムの存在自体が従業員への心理的な抑止力として機能する点も、導入メリットの一つです。

不正打刻の防止策として、勤怠管理システムを比較して自社に合ったサービスの導入は即効性の高い手段の一つです。

ログや承認機能があるとカラ残業や不正修正まで防ぎやすい

勤怠管理システムのログ記録や承認機能を適切に活用することで、カラ残業や不正修正まで防止できるようになります。

なぜなら、ログや承認機能を使いこなすことで、誰がいつどのように打刻・修正したかを追跡できるからです。

「システムを入れたから安心」と過信してしまうと、カラ残業や不正修正を見逃すリスクがあるため、機能を正しく活用しましょう。

ログ記録機能とは、誰がいつどの端末から打刻・修正したかを自動で記録する機能のことです。

「記録が残っている」という事実が従業員への心理的な抑止力にもなります。

承認機能とは、従業員が申請した残業時間や打刻修正を上司が確認・承認するプロセスを設ける仕組みです。

申請内容に不審な点があれば上司が気づきやすくなり、不正を早期に発見できる可能性が高まります。

ログ記録と承認機能はセットで活用することで、より高い防止効果が期待できます。

承認者が形式的に承認するだけでは効果が薄れるため、運用ルールを整備した上で定期的に見直しを行いましょう。

会社で明確な打刻ルールを定める

不正打刻を防ぐためには、会社として明確な打刻ルールを定めて周知することが重要です。

打刻ルールが曖昧なままでは、従業員が不正の範囲を正しく理解できず、意図せず不正打刻につながるケースが生まれるからです。

「なんとなくの運用」を続けている企業ほど、不正が発覚した際に処分の根拠を示しにくくなります。

具体的には、以下のような基本的なルールを就業規則や勤怠管理規程に明記し、全従業員に周知することが求められます。

周知させたいルール
  • 打刻は必ず本人が行うこと
  • 修正が必要な場合は所定の申請フローを経ること
  • 代理打刻を禁止すること
  • 残業は事前申請制とすること

上記の内容は、入社時のオリエンテーションで説明するのはもちろん、年に一度は内容を確認する機会を設けることをおすすめします。

明文化されたルールは、懲戒処分の根拠としても機能します。

「知らなかった」という言い訳が通じない環境を整えることが、公正な労務管理と不正防止の両立につながるでしょう。

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